地域生活を考えよーかい

尼かん・いたみんネット

本人主体の自立生活支援について

尼崎市かんネットの今後の勉強会の参考に。同志社大学・伊藤巧さん(生活支援センターぴぃーす・尼崎市かんネット事務局)からの提案文書です。

掲載日:2002年8月30日
文責:尼崎の生活支援を考えるネットワーク事務局
李 国本 修慈


はじめに

 今、尼かんネットでセルフケアマネイジメントについて、話が進んでいます。そこで、ケアマネジメントについて、簡単にまとめておこうと思いました。そして、一つの理念として、「本人主体の自立生活支援」ということを提案してみたいと思います。

1.本人主体の自立生活支援」とは

 「本人が、自分の人生を本人らしく生きるために、本人の希望になるべく添い、必要なサービスを様々な生活力をつけるためや、また、QOLの向上等のために、組み合わせ、必要があれば足りないサービスを創り出し、本人の権利を擁護し、本人が納得するまで様々な手段、方法を持って本人ともに試行錯誤する支援」と仮にしておきます。これはあくまで、伊藤が個人的に考えている本人主体の自立生活支援ですので。ご意見をお待ちしております。

この手法として、ケアマネイジメントが有効であると思います。

2.ケアマネジメントとは

定義
⇒「対象者の社会生活でのニーズを充足させるため、適切な社会資源と結びつける手続きの総体」(白澤政和編著『介護支援専門員テキストブック』)より
自立生活(支援)マネジメントの定義
⇒「本人の希望や目標に基づいて、できる限り地域での自立生活が可能となるように、必要な支援を本人を中心に組み合わせ、また不足する場合には、創意及び権利擁護に努めること」

※基本的に本人が、必要なサービスを組み合わせてマネイジメントする場合をセルフケアマネジメント、あるいは、自立生活マネジメントと呼ぶ。本人を中心に組み合わせるが、そこにケースマネイジャー(コーディネーター)が介在する場合を自立生活支援マネジメントと呼ぶ。

※(小澤温・北野誠一編・著『障害者福祉論』より)

 下の自立生活(支援)マネジメントのほうが、定義がはっきりしており、わかりやすく、地域生活支援に合うと思います。

 ここで、ケアマネイジメントを行う際に重要なのは、エンパワーメントの視点です。

 エンパワーメントとは、最近、福祉業界で流行りの言葉で、一番簡潔なまとめをひきますと「支援を活かして、自分で選んだ自分らしくいきる力を高めることを意味する。それは文字通り、自分自身の内なるパワーを高めることであり、ソーシャルワークにおけるゴール(目標)概念であると共に、それに向かう本人活動のプロセスそのものである。つまりは、本人に影響を与える関係を、本人なりにコントロールしながら本人らしく生きることが、エンパワーメントである。」

 以上参考までに。この視点が欠けていると、ケアマネジメントはただ、サービスを組み合わせるものになってしまう恐れがあるので自分に対する警告の意味をこめてです。

3.ケアマネジメントの実際

  1. インテーク(初回面接)
  2. アセスメント(ニーズの分析、情報整理)
  3. ケア計画の作成
  4. (ケア会議の実施:利用者を含む⇒サービス調整会議に)
  5. ケア計画の実施
  6. 評価(モニタリング) 必要とあれば、再アセスメント
  7. 終了と事後評価

一応、よくある手順としては、このようなかんじになります。

そうして、本人の目標を含めた、本人の生活全体を支援する計画を「本人自立生活支援計画」(Peson−Centered−Individiual Program Plan:PC−IPP)と呼んでいるそうです。

おわりに

 現状の尼崎市の課題としては、ケア会議は誰が行うのか、権利擁護のシステムは機能するのか、サービス水準は、低下しないのか等、山積みですね。一つ一つ進んでいくいくしかないように思えます。尼かんネットで、ケアプラン実行委員会でも作るくらいしか今は、思いつきません。これで実績を作れば、療育等支援事業が少しでもお金だしてくれないですかね。

 実際のケアマネの事例を載せようと思ったのですが、適当なのが、無く、また捜しておきます。 


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