地域生活を考えよーかい

尼かん・いたみんネット

全国地域生活支援ネットワーク拡大理事評議員会の報告

緊急集会の後に行われました「全国地域生活支援ネットワーク」さんの拡大理事・評議員会でのお話し内容の報告書(一応しゅっちょー扱いでしたので・・)です。
誤記・誤認はご容赦くださいね、。

作成日:2005年1月12日
掲載日:2005年1月13日
文責:NPO法人地域生活を考えよーかい
李 国本 修慈


 表記の会議が1/12全国緊急集会の後に行われました。

 集会よりも、むしろ、こちらの方が意義(意味)があったな…と。

 で、以下。

 大事なところとして、中央情勢ということで、特にホームヘルプに関しては、我々のような事業者にとって=利用者みなさんにとって、大きな問題であるということから、充分に情報は集約しておく必要は間違いなくあると思いますので、関係みなさんも、ぜひ、少しでも知って、考えてくださいね、と。

 全国地域生活支援ネットワーク(以下、全国ネットと記します)については、ご存知の通りかと思います(わからん方は、国本までお問い合わせください、と言いつつ、私もよくわかってませんが、ようするに支援しよう!という事業者さんのネットワーク全国地域生活支援ネットワーク さんです。育成会さんとの繋がりが強い?といった印象です)。

 まず、介護保険の「活用」(できるだけ「統合」という言葉は使わないように、と思ったりしていますので)については書面をいただいていますので参照ください。

 その表題には「介護保険改革で障害者福祉も社会連帯の仕組みに」とあり、市長会・経済界の方々への意見を始め、各障害者団体の不安の解消をと、両者(障害者福祉制度と介護保険制度)をフルに活用して、「都市と地方の財政力の違いによるサービス格差をなくし、誰もが地域社会で普通に暮らせるような仕組みづくりを共に進めていきませんか」とあります。

 そして、「他人事」でなく、「自分たちの事」という言葉をもって、「税財源だけでなく介護保険制度による財源も十分に活用し…」という言葉でくくっています。

 全国ネットさんも、今回行われました集会の協賛者であり、その(介護保険の)活用を推進する立場であるということです。

 で、ホームヘルプに関することですが、最も関心というか、気になる(当然ながら、事業者としては、、、ですね、)点としての今後、及び、すぐそこの今年4月以降のことなんですが、ポイントとして、二つばかし、で、ひとつは、今春(今年の4月ですよ!、と)の単価改正(間違いなく…でいいと思います⇒単価減額)が如何なるものか?、と、親類型=「行動援護」について、で、それについてを中心に記してみたいと思います。

 と、まずは、単価改正に伴う請求事務についても、新類型についても、この4月から…なんてことが、ホンマに可能なんか?、と、合わせて⇒単価改正については前年(今年度の4月=2004年4月)もやっているので、なんとかなるのかしら?ですが、類型追加に関しては、???ですし、その交渉(というか、研究=行動類型自体の研究提言を全国ネットさんメンバーが中心に行っているということです)をしている全国ネットさん事務局さんからも、「未だ単価を含めた詳細は決まっていない」ということで、三月の部局長(都道府県・政令・中核市)会議にて、提示・発表と言いますから、それは大変なことになると思います。

 とある自治体では、混乱回避のためにも、類型等の発表があっても、しばらく(数ヶ月)は、猶予期間として、現行制度でいくようにと提言しているといいます。

 なんにしても、混乱は避けられないところです。

 ただ、何より困るのは、そんな混乱もできなくなっちゃうような単価改正があると困ってしまうということ⇒混乱もできずに、ビールの泡のごとく消え去る…みたいなこともおこっちゃう?ということが言えちゃう(言えたらいかんのですが…)。

 とりあえず、昨年末に全国ネットさんが製作・提出しました資料から順を追って…。

 まず、いろいろ要望のひとつとして、「運営の規制緩和(平成18年1月に)」、「利用者負担の見直し(平成18年4月に)」、「施設基準の見直し(平成18年10月に)」の時期を変更できないものか?ということに対して、回答は「できない」ということで、理由として、利用者負担の見直し(平成18年1月の予定)について、「義務的経費にするため」ということで、これに関しては「なるほど(事務局談)」ということでした。

 グループホーム・ケアホームについては、介護度別での振り分けは受け入れられないことなどを意見したということで、このあたりはどの団体さんも(?ではないか)共通するところかと思います。ここらに関しては、グループホーム学会さんや諸団体さんからも、詳細に渡っての指摘があると思います。

 そして、私なんかも大いに関心のある「日中活動場所の保障」という点で【デイサービスと通所授産施設の単価の格差是正をしてほしい】ということを要望にあげていただいたということで、ここらあたりは、我々のような事業者にとっては、とっても大切な部分かと思います(その理由について不明な方は、また聞いてくださいね)。

 更に【通所施設の基準を今の知的デイ並に(定員5名、建物基準緩和)】ということも盛り込んだということで、ここらがきっちりと行われることが、ホントに望まれるところです。

 で、「通所施設に通うグループホーム生活者の利用者負担について」は、諸団体さんも強く訴えていることと同様に、現状の提示と利用者負担の見直しを要望されています。

 そして、問題(というか、不明の)「行動援護類型」についてですが、対象者として、重度及び、中・軽度者で、行動援護類型判断基準で10点以上の者、とありまして、「行動援護類型判断基準(案)」というものも提示されていまして、10項目に三段階の点数配置を設け、その値を基準値にするというものです(資料書面あります)。

 ただ、どう考えてもこれらのことを4月にすぐ施行するというのは困難極まりなく、当面はどういった基準でその類型においてサービス提供を受ける方を決めるのかはこれから固まるということのようでした。ちなみに厚労省は、15%程度の方と試算、事務局は40%以上程度と試算(というか、主張)ということで、このあたりも、今後(といっても今月末当たり)の意見交換によるというところのようです。

 で、そのサービス提供者資格について、「居宅介護事業のサービス提供責任者の要件に該当する者」、又は「2級ヘルパー取得者+重度知的障害介助経験2年以上で市町村が認めた者で諸要件(については、全国ネットさん作成提案書面による、主に行動予測・アクシデントへの対応能力を問うもののようです)を満たすもの」とあり、サービス提供要件も厳しいものとしての提案をされています。

 その理由としては、財務省との財源確保の為にも、高単価を要求する際に、こういった要件を高めることで、その必要性をアピールすることも理由のひとつとしてあげられ、更に、現状のサービス提供者の質の低さというか、志をもっていただくため(基本的収入源の確保)にも必要であるというような説明がなされました。

 そして、問題の時間単価ですが、これも全くの白紙の中、どういった額になるかが大いなる関心事ですが、全国ネットの主張は「5時間まで」=「金額換算2万円」は譲れないということで要望しているということで、その為のデータなども取り揃えておられます。

 このあたり、身体の方の「日常生活支援」との兼ね合いなど、わかりにくい部分もたくさんでてきそうですが、知的障害といわれる方のみならず、重複障害といわれる方の類型設定も、更に困難になつてくるといえそうです。

 にしても、単価改正及び新類型の単価などにより、大きく事業所の予算及び事業計画は変化していく(行かざるを得ず)もので、そのあたりの試算も必要ですが、現行の事業所間のサービス提供の違い⇒「移動介護がメイン」であるとか、「居宅・身体介護が中心」があるので、事業所によっても、その影響に違いがでるのではということでした。

 行動援護類型のまとめとして、対象者については、厚生労働省のイメージとして、知能指数は高くとも支援度が高い者(適応力の弱い方や行動障害がある方など)も対象にすることを求めているということ。

 サービス提供者の資格としては、その単価と照らし合わせ、あえて厳しいサービス提供資格としたということ。

 支援時間と単価については、利用実態から平均し、3.5時間〜4時間ということに着目して作ったということ。

 更に説明として、知的障害者にも、身体障害者の日常生活支援のような包括的な利用特性を持ちながら長時間利用でき、かつ、支援の難易度が高いため、単価も高い=高度な支援ができる支援者の確保が可能な類型が必要になったとしています。

 単価については、現在の厚生労働省のイメージは、支援が2時間半〜5時間で1万8千円、5時間以上で2万円ということで、全国ネットとしては、「常勤の介助者を介護難易度が高い利用者のために事業所が確保でき、かつ、年収で350万の確保ができるように」ということから5時間までで2万円は譲れないとしています。

 判定の仕組みと判定基準について、厚生労働省案では、「強度行動障害の判定基準により、知的障害者更正相談所の判断に基づき、市町村が決定」となっていますが、ぜんこくネットとしては、行動援護型が外出支援に利用されることもあるということから、「よりコミュニケーションに着目した判断基準に基づいて判定なされるべき」と主張してまして、現行の強度行動障害の判定基準のみを利用するのは?である=強度行動障害の判断基準は行動障害が起こった(引き出されてしまった)後の状態を示しているものであるからということが述べられました。

 判断を行う者としても、更正相談所が、その把握や、事務量に耐え得るものなのかという疑問をあげ、なんらかの判定基準により、市町村窓口が保護者や事業者などからの聞き取りによって支給決定するように要望したいとしています。

 これらのことについては、今月末にもう一度意見交換が交わされながら、三月の課長会議で提出される模様です。

 なんともぎりぎりの状況ですが、とりあえず現状報告でした。

 そして、新設されますタイムケア事業についてですが、なかなか情報も整っていないのですが、現在類似事業を行っている自治体(17都道府県)は補助対象としないということや、タイムケア事業実施の自治体は、児童の日帰りショートや移動介護は同時に行えないようにする、などといったへんてこな情報もいただいています。

 以上、記憶の範囲でまとめ(羅列ですが)てみました。

 なんとなく、イメージ(えらいこっちゃ、と)つくでしょうか?。

 こういった交渉・意見交換・提言などなども全国ネットみなさんが行っておられるということで、感謝ですね。

 と、多くの我々事業者及び利用者さん、関係者みなさんも、いろんな情報を知っていただき、考えてほしいな、と思います。 


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