地域生活を考えよーかい

地域生活を考えよーかい

有限会社しぇあーど(の現状と今後)について

掲載日:2009年6月13日(土)
報告者:特定非営利活動法人地域生活を考えよーかい

 2003年の4月に、それまで、尼崎市南武庫之荘において活動していた「地域共生スペースぷりぱ(現在はNPO法人)」と同様な活動拠点をと考え、伊丹市鴻池という地で活動を開始し、今年は7年目となります。
 活動の基本的なスタンスは、「普通に暮らしていける地域」であるための「お手伝い」ということで、できるかぎりでの生活支援活動を行ってきました。
 当時は、利用契約制度(支援費制度)が開始になった年であり、福祉基礎構造改革という流れのもと、地方分権と規制緩和という言葉が、あちこちで響いていました。
 そんな時代の流れに乗って(と言うよりも乗らされて、あるいは翻弄されながら)、必要最小数のスタッフで事業を開始しました。
 なんといっても、当時は、それまでの時間あたりの報酬単価が、4倍になる(上記の地域共生スペースぷりぱでは、時間1000円で、なんでもやりますといったスタンスで活動していたものですから)ということで、間違いなく、活動を事業としてやっていける(筈)という思いで走り出したことを思い出します。
 そんな思いで、居宅介護等の事業と共に、訪問看護も事業の一つとして、同時開始しました。
 当時(おそらく今でもそうですが)、多くの方には、こんな活動の存在や在り方等は、なかなかイメージがつかずでしたが、丁度、子育て世代の看護師3人が居る(某県立病院からの転職を模索している)ということを耳にし、、「10時〜16時で15万円でどう?(こんな額にも根拠がありまして、時間4000円の訪問介護=多くは入浴介助を少なくとも1日5件、かける30日=60万円、よって、25万円は残るなぁ…などという算段⇒もちろん、私一人の稼ぎとしてです)」というような誘い文句で、それらの看護師さんを引き寄せようとしたものです。
 その目的は、やはり、整備されようとしつつある制度等の中でも、どうしても立ち遅れる部分である「障害が重い」とされる方々の関わり(支援)に、看護師=訪問看護(等・・・、この等には、医師なども強く含まれます)が必要であると考えたからです。
 只、結果としては、そんな誘い文句は、ほとんど効果はなく、その看護師3人がそれぞれの感性で、こんな事業(活動)を継続してくれ(内、一人は、夫の転勤と共に、伊丹を離れましたが、そちらでも、少なからず、障害児・高齢者への支援者として地域社会に貢献しているようです)、現在、少しずつですが、訪問看護スタッフも増え、未就学児(出生後間もなくという子どもさんも含む)も含めた関わり(支援)をさせていただいています。
 一方の居宅介護等の事業では、こちらも、ひとつの目的である、「いつまでも自らの地域で暮らしていく」という思いをしっかりと実現させたいということから、男性スタッフの確保(雇用)に力点を置いてみました。
 それによって(というか、タイミングが良かっただけかも知れませんが)、現在、常勤介助(支援)スタッフ14名のうち、男性スタッフは9名となっており、とりあえずは、1週間=7日分の夜間(泊まり)の関わり(支援)も行っていける(筈)状況を作りました。
 そして、この間、法律や制度の変更によって、まさに翻弄され続けたという感はありますが、なんとかこうして継続してこられました。
 現在行っている事業は、居宅介護等事業(重度訪問介護・行動援護を含む)、移動支援・日中一時支援事業(地域生活支援事業)、短期入所事業、相談支援事業、訪問看護事業です。
 そして、そういった制度によって支えられない部分=移送サービスや、スペース開放等、自費サービス等を特定非営利活動法人地域生活を考えよーかいとして行っています。
 続いて、現在の利用者さんですが、凡そ150名(利用登録者のうち、実際に利用のある方の数)、内、2/3の方が、重症心身障害(児・あるいは者)といわれる方々で、47名の方が医療的ケア(その内容については別紙参照)を必要とされます。
 上記の事業内容からも解ると思うのですが、私たちしぇあーどでは、日中活動の場としての事業は行っておらず、いわゆる「隙間(的)=日中活動以外の時間帯の支援」の部分を担っている事業体であるといえそうです。
 只、そんな事業体ではあるのですが、「日々の日中の時間帯」へのニーズも少なからず存在する訳です。
 例えば、なにがしらかの理由(障害が重い、だとか、逆に軽度だとされたり⇒障害認定もない、そして、就学前の児童であったり、訪問教育対象児だったり)で、日中、多くの方にあろう(あるべき)筈の「時間・空間」が無かったりする方への支援=関わりにも重点を置いています。
 また、特に障害の有無や程度に関係なく、必要(支援が)な方への関わりを大切にしたいと思い、非営利活動法人と共に歩んできました。
 私たちの活動拠点としての「こうのいけスペース」ですが、03年5月に、マンションの一室(2LDK)を借りたところから始まり、現在は空き店舗のスペースに、少し大きなお風呂(と言ってもユニットバスです)も備え、拠点機能と入浴場、短期入所・日中一時支援事業等に活用されています。
 今後は、より機能的な空間確保を目指し、現在、新たなスペースづくりの検討に入っているところです。
 最後に、今回の「誰もが暮らせる地域づくりフォーラム」についてですが、私たちしぇあーどでは、今回の「医療的ケア」について(も)、あくまでも当人との関係性の中において、その関わりの中のひとつ(特別視するケアでは決してなく)が「医療的ケア」であるという考えを持っています。
 「実習・研修」によって得られる知識・スキルは、間違いなく必要なんですが、、それのみで関わりが確保される訳ではないこと、なにより時と共に「思い」を相交わすことにより、保てる関わり(支援)の中にこそ、それが(ひとつのそれとして)あるということを忘れないようにしたいと思っています。

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