地域生活を考えよーかい

地域生活を考えよーかい

誰もが暮らせる地域づくり見聞録
10/25重い障害をもつみんなの未来を考えるつどい

作成日:2009年10月25日
掲載日:2009年12月4日(金)
報告者:特定非営利活動法人地域生活を考えよーかい

今回は、新たなステキな活動を展開されています「地域に広がれ!医療的ケア」連絡会さん主催の「重い障害をもつみんなの未来を考えるつどい〜堺市・京都市の取り組みに学ぼう!〜」に参加してみました。
連絡会みなさんの活動拠点は東大阪市でして、人口約55万5千人という大きな都市です。歴史的にも興味のある地で、最近のイメージでは、力ある産業都市といった感じでしょうか。
そんな東大阪市の市役所庁舎内で行なわれました。とてもキレイででかい(大きいというか高い!、会場も確か19階でして、ここの男子トイレからの眺望は素晴らしいものでした)庁舎に驚きました。
また連絡会を構成するメンバーみなさん、若いお母さん方が多く、喜ばしくも嬉しいステキな組織だと思いました。
 今回は、主催者さんからお誘いを受けたのもあるのですが、堺市(政令指定都市・人口約83万人)や京都市(政令指定都市・約146万人)の市としての取り組みに少し興味があり傾聴してみました。
 で、今回、堺市における魂ある事業者さん(ひとつはけっこう新しい活動体でした)や京都市でのおなじみ篠原さんの活躍は、やはり心に響くものでした(こちらの報告は今回割愛させていただいています)。
 で、堺市の取り組み(今回のテーマはこれでした)→「生活介護機能強化事業」(発表は堺市障害福祉課施設係の課長さん)。
 ようするに「生活介護事業所」に看護師を配置(派遣ではない…ここにも大事なポイントかと思えます→「派遣」や「委託(嘱託)」という文言の実際等)するにあたって、その額(補助基準額が500万円で、その3/4)を助成するというもの。
 とても画期的で、こういった取り組みは、様々な地域で、どんどん続いて行なってほしいものです。
 この事業も、ひとつのケース会議から始まったということで、堺市でも、かなりきっちりとしたシステム(流れ…個々のケース/支援会議から自立支援協議会、そして政策立案へと)は構築できているようで、素晴らしいことだと思えました。
 更に「これから」(という言葉が、どうも私には抵抗があるのですが)という言葉を元に、「重度障害者」と言われる方々への視点が施策の柱になる…と行政官の方は仰っていました。
 確かに素晴らしいことなんですが、ようやく数が上がってきた(ケースとしての、システムの流れとしての)ということの上での取り組み(とても良いことなんですが)を強調することで、これまで、あるいはずっと以前からあったであろう「点」として捉えられなかった方々や、「今」についてをもっともっと深く考えていく、あるいは省みていくというようなことも必要だなぁ…と、やはりいつも思ってしまうのでした。
 にしても素晴らしい行政マン(と言っておきましょう…あまり、こういった方もいらっしゃいませんので・・・我が街等には)さんでした。
 さて、ここでやはり大切なのは「機能強化」という目先は何処にあるのか?(目的は「医療的ケアが必要な重症心身障害者の日中活動の保障」ということです)ということで、「看護師」の役目・目的は、「配置」されることのみでは、おそらく無い訳(筈)で、その「機能」は、しっかりと確認され、みんなんの共通認識としたいところだと思えました(その機能については、じっくり考えて行きましょう)。
 少しずつ進む「看護師配置」…。
 看護師が配置されて、看護師が、いわゆる強化の対象である「医療的ケアが必要な重症心身障害の日中活動の保障」を全て抱えこんでしまうこと(そんなことが可能ではないのですが)にはならないようにと思うこと(願う事)。
 このあたりはしっかりと外さず発信し続けていかなければと感じるところです。
 そして、もう一点。
 非常に興味・関心のある短期入所に関しても、堺市には「重度障害者医療機関短期入所事業」というのがあり、ようするに医療機関に重症児者といわれる方々の緊急的な短期入所を依頼・委託しているというものです。
 これも、せんだってから記事(埼玉県での取り組み)となり、少し注目を浴びていることではあるのですが、ここにも(けっこう)大切な問題が潜んでいると考える訳です。
 医療機関等に「お金」を積んで、お願いして、そしてそんな場所(よくない表現ですいません…)で、昼夜区別のない生活を強いらされてのそれ(短期入所)はどうなんだ…といった感覚は持ちたいもので、そんな視点は、少なくとも、ほんのちっぽけでも無くてはならないと思います。
 ならばどうなんだ!(それ以外に手法があるのか?持っているのか?)と言われれば、もしかしたら、私なんぞ(のような支援者などと自らを言っている輩)は「まいった」…と頭を下げないといけないのかも(いや、たぶんそうだろう)知れないのですが、それでも、そこは、きっちりと「数」のみを整える…という発想のみには終始しないよう、ここにもしっかり意見する(し続ける)必要は大いにあると考えるのです。
 そう思えば、堺市の、上記の事業、「全く実績ありません」とのことで、それはそれで納得できること、かつ、そこをしっかりと考えていく必要を感じさせていただいたものです。もちろん、足らずの「ショートステイ(短期入所)」は、全然よくないのですが…。
だから「もっとがんばらんかいっ!」と、思ったり…もちろん私自身に対してですが。
と、声はあんまり大きくなりませんが(そんなこともない…)、正直に言うと「もっとできる奴(者・組織)がやろうよ」とか「やるべきではないか」とか、…。
 制度設計だとかシステムだとかを云々の前に…。
 と、やはり医療職・機関をどこへ向かわせるかが大切だと考える訳です。
 そこにはもちろん重症心身障害児・者施設や国立病院機構(元・国療)も含む訳で、そこを徹底的に突っ込まないと、やはり包括的に言う「地域」なんてのは、この先100年くらい(もっとかも?)、重心などといわれる方々にはやってこないようにも思ったりします。
 まさしく、その名の通り、彼らが地域だとか社会だとかの「重心」となるような、そんなカタチは、目指さねばならないと改めて思うのでした。
 これこそ、言うが易しというか、言い切るのみに終わりそうですが、やっぱり、言い続けながら、自らの実践を続けていく必要があると痛感しています。
 更に、堺市には注目すべき「堺市健康福祉プラザ」(仮称)なるものができるようで、今後の「医療」や「センター機能」が、何処を向いて行くのか?といった意味からも、この在り方には注目です。
 重症心身障害といわれる方々にとっての「地域」、施設や病院に入所・入院している方々にとっての「地域」や「地域移行」を(施設・病院・事業者・親等が)「言う(考える)」、「行う」のかをもっと明確に問うていかねばと思います。
もちろん、少なくとも私たちは、間違いなく「極当たり前の営み(暮らし)」として、関わる方々の真の「思い」と、それに寄り添うべき(だと思う)在り方は今後行っていくつもりです。
 そんなことをぜひとも今回参加された方々には考えて頂きたいと思います。

本文終了


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