地域生活を考えよーかい

フリースペース【バックホーム】と【こうのいけスペース】

しぇあーど及びこうのいけスペースの初年度を振り返って

配布日:2004年4月13日
掲載日:2004年4月19日
作成者:地域生活を考えよーかい(NPO設立準備中)
有限会社しぇあーど
李 国本 修慈


 はじめに。
2003年4月を持って、伊丹市にも、重度障害児・者といわれる方々の「地域生活支援事業」(基本的に生活支援事業という言葉の提議は、必要である、もしくは思われる=たったひとりの方のみが必要であるサービスをも、できる限りでお手伝いしていくという活動と考えています⇒決して、制度のみのサービス提供ではないということです)というモノの定着をと活動に取り組んできましたことについて、数点記させていただきます。

まず、情報の提供と、「支援費制度」の利用促進(その目的は言うまでもないですが、みなさんの地域での普通の暮らし=ノーマライゼーションの実現に向けて・・・です)という点ですが、昨年の今頃を振り返ってみると、現在、しぇあーどをご利用になられている少なからずの方が、その制度についての周知、又は情報収集に不足があったように思います。

そんな中、支援計画作成から申請へのお手伝いなどを通し、徐々に制度の在り方、利用方法、不備な点、これから考えてていく点などか、みなさんにも(個人差はありましょうが)知っていただくきっかけのひとつになったのではないかと考えています。

私ども事業所(事業所というと、制度のみに対しての組織ということになりますが、私どもは、基本的に制度外のサービス⇒移送、食事、スペース提供、入浴スペース提供、預かり、宿泊など・・・を含んだ活動体と考えています)としても考える点なのですが、みなさんにも考えてほしい点として、この「支援費制度」及び「その他の活動(=上記の制度外という事業)」が、如何にみなさん(多くはお子さん)にとって、重要なモノなのか(=制度等の必要性の程度)を一緒に考えていければと思います。

と、同時に、「サービス」(=支援費制度は、間違いなく利用契約によるザービスです)を提供する側(私ども)、受ける側(みなさん)双方が、その「在り方(サービスの質・内容)」も充分に検証していく必要があると考えます。

そういった点から、こうのいけスペースを例にとって自らを省みると、昨年に重ねました「事故」、又は「事故未遂」という事実を挙げるまでもなく、スペースはもとより、スタッフの介護・介助技術及び意識の在り方など、多くの問題があることを今も、痛感しているところです。

第1回目のお話し会でもお伝えしたように、ひとつは「安全性」の点として、@スペースの分離、Aそれに伴うスタッフの確保、Bスペース管理責任の明確化、C家人皆さんとの情報共有化、Dスタッフ間の情報共有化、などを掲げて行ってきました。

上記について、@については、ご覧になっていただきましたスペースの開設、Aについては、求人等によるスタッフ確保と育成、Bについては常勤スタッフの意識の徹底、Cについては新書式の連絡ノートの作成など、Dについては、電子媒体による情報の共有化などを行っているところです。

ただ、上記対策についても、全てがうまく運んでいるというわけでもなく、それぞれのモノ(コト)の在り方が、むしろマイナスに作用していることもあるように思っています。

なかなか私(以上に利用者みなさん)が思う(在るべきカタチの)サービス提供ができているとは思えず、今後の第一の課題として、「サービス提供者としての人材育成」をあげています。

具体的には、事業所内での研修・実習機会の拡大、自主研修の促進などを行っていきたいと考えています。

また、こうした機会を基に、利用者さんからの声をスタッフが聞く機会を増やしたいと考えています。

介助者のスキル的な問題は、介助経験や研修・実習により時間はかかれど、ある程度の向上(これもスタッフのセンスにも依ると言えますが)は見込まれると思っていますが、こういった事業活動(冒頭に触れました生活支援事業)では、単にサービス(身体・移動介護など)を提供するだけでなく、トータル的な当人及び家人みなさんの生活(暮らしに関わるいろんな相談など)をお手伝いしていける(いこうとする)意識も必要であると考えていまして、そういった点を、多くのみなさんと育んでいければと願っています。

あと、こうのいけスペースにかかわらず、支援費そのものを基本的に、当人さんに支給された公費=社会保障費と考えています。

ですので、その収益なども公開し、利益の還元を人材に、そして、設備に投資をと考えています。

ただ、ご存知ではあるかと思いますが、国庫補助の不足から厚生労働省も支援費単価の減額や、今後の制度の中身までもが変えていこうという動きもあります。

また、介護保険との統合論や、国庫補助から一般財源化へという流れさえあります。

そういった情報を得ながら、それに対しての対応や対策なども私どもの事業(活動)の大切な部分であると思っています。

県や市レベルで見ても、財政のしわ寄せは、やはり少数派といわれる方々の方へ向くという図式は相変わらずのようです。

終わりに。
しょうがい者といわれる方々の暮らしを支える(生活支援)ということは、制度のみでは到底賄えるものではなく、そういった活動に対しての、みなさんからの支援と協力をもお願いしたいところです。

サービスに対しての厳しい批判をお願いしたり、制度外などの、これから創っていくサービス・制度へのご協力をお願いしたりとややこしいですが、どうぞ宜しくお願いいたします。

また、こうのいけスペースは、みなさんの支援費で創られたスペースであるということも意識していただき、より自由に快適なスペースとなりますよう願っています。

なかなか私自身の時間がありませんが、今後も、できる限りの相談はお受けさせていただき、できる限りのお手伝いをさせていただきたいと思っています。

どうぞ、今後とも宜しくお願いいたします。


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