ひょんなことから、「こうのいけスペース」に、8月26日付けで社会援護局・局長に異動されました中村秀一さんが、いらっしゃることとなりました。
私的視察ということで、局長さん曰く「ひとつきかけての勉強期間」だそうで、今回のツアー(西宮〜伊丹〜滋賀)を修学旅行になぞらえておられました。
せっかく(と言うか、めったにお会いすることも、お越しいただくこともないであろう、の…)の機会ということで、ちょろっとしたスペース活動及び活動実態を記す書面を用意し、15時の到着をお待ちしました。
この機会を作っていただいた、のまネット西宮の清水さんに、青葉園・園長寺谷さん、同じくのまネット竹田さん、局長と同行の花崎恵乃さんが、少し遅れて15:09頃に到着されました。
いわゆる官僚さんなどにお会いする機会なんてのはほとんど経験したこともなく、どんな方だろう?というソワソワ感があったのですが、到着後、車中から降りて来られたイメージは「柔和なおじさん」、とっても「優しそう」な…といった印象でした。
滞在時間は30分という限られた時間でしたので、急いでスペース102へご案内し、当日の利用者さんの現状や、スペース開放までの経緯やお風呂などをご覧いただきました。
続いて奥のスペース101をご覧いただいたのですが、そこでは、スペースの構造というよりも、本人さんとお会いして頂き、その実態(医療的なケアが必要な方や、そういった支援の必要から進路先がスムースに決定できなかった方達)をお話しさせていただきました。
その他、局長さんからの質問などに答える形で、約140名の利用者さんを18名の常勤スタッフと30名程度の非常勤スタッフで、対応していること、制度のみではなく、制度外での利用や宿泊等も行っていることをお話ししました。
局長さんは終始にこやかに、うなづかれ、医療的ケアを要する方の占める人数等に関心があるようでした。
あっという間に時間は過ぎて、15:30には車両に乗り込み、次の目的地の滋賀県草津市の「第一びわこ学園」へ向かいました。
その車中で、いろんなお話しをしたのですが、90年代の高齢者ゴールドプランを行ってきたこと、その際の人的・時間的データに基づいた実績や、スゥエーデンの福祉事情との比較や、更にはあの平成2年の障害者ホームヘルプの上限撤廃書面(社更225号)も、局長さんによって出されたものだと知らされ、「おーっ!」と皆で驚きました。
また、清水さんや国本が、こういった活動を行ってきた(行い始めた)経緯などに質問が及び、自らの持論(であると思います)として「地域への移行」、「医療でなく生活視点」という考えの下、報告書「2015年の高齢者介護」が書かれたこと、その内容は、障害福祉の目指すとされる事などとも合致する(同じじゃないか、と気付いた…というような表現でした)ということをお話しされました。
更に、現行の支援費での最大の問題である財源の問題にも触れられ、その源が同一でないという事に対して、それを同一にすることで、数百億の金額はいかにでも成ると言われまして、国本から「しかし、我々が行っているような少数派でありながら間違いなく(と思う)支援度の高い方へのお金の流れはできるのか?」という指摘に対しても、明確に「同一パイの中では、支援が必要なところにお金が流れるのは必然的ですよ」という意味の言葉をいただきました。
また、印象として、既存の施設(的?)なものよりも、先駆的(と、言うか?、草の根的?…)な活動等を好まれるようで、高齢介護の視察の際にも、制度にのらないモノ(託老所など)を積極的に見学してこられたことなどをお話しされました。
更に、「地域に(青葉園やこうのいけスペースのようなモノが)あれば、施設は必要ないですか?」の問いに、明確に「いらんでしょう!」と答えた清水さんの言葉に反応した局長さんの表情か印象的でした。
そして局長さん曰く「現状維持は停滞ですよ」と言い、「変えていかなきゃ」、「ある意味、障害分野は、未だ、90年頃の高齢分野の様で、05年に局長となったのだから、2015年の青写真は作らねばならない」という旨のお話しをされました。
そして、16:45頃に、「第一びわこ学園」に到着したのですが、終始車中はにこやかかつ穏やかな雰囲気で会話が交わされ、何かにつけて対人恐怖というか、人間不信の私も、とってもいい人だなぁ…と実感しました(これで幾度となく失敗もしてきているのですが…)。
「第一びわこ学園」に到着し、同園の見学もさせていただいた(見学内容は省略…、しかし、見事な設備機器類は羨ましかった、です)後に、口分田園長がまとめられたパワーポイントでの報告を受けたのですが、施設経営視点からの問題定義(というように国本には写ったので、そのように記載しますが、語弊あればすいません)という点について、厳しい表情で「不可解」、「仮にそういうこと(重心施設がなくなる=つぶされる)があろうとも、そんなことは起きない」という表現を使い、過剰(と言うか、支援法による施設存続=施設体系死守のような)な心配は不必要であることをおっしゃられ、あらゆる場面で、「必要なものは、択一などではなく、必要なものは存続させるし、間違いが(仮に)あっても、訂正していく」というような事を述べられました。
更には「とんでもない医療だって、潰せずにきているのに…」と、真に必要なものは維持できということ、と、しかし、悪と認知しながら変革できなかった事実なども述べられ、それに向かってきたということもおっしゃられました。
ということで、なかなか毅然とされた姿勢も見せていただき(こうのいけ〜車中はほんとに和やかかつ楽しい会話続きでしたので)、その後の交流会でも深夜まで、地域生活支援を行うみなさんへ、自らの思いや考えを熱弁されていました。
とっても好印象の局長さんで、大いに期待(というか、我々の活動をきっちりと伝えていくという前提で)できる方ではないかと感じました。
またご本人がおっしゃられたように「賞味期限も短いですよ」という言葉に、いろんな政治的な手法なども必要であることを実感したのですが、何より、「何があっても(あろうと)行う(続ける)」という理念が最も大切なコトであると改めて実感しました。
帰りの車中では、寝ぼけた(?)清水さんや北野先生と、「おもろかったなぁ」、「せやけど、あれはおもろなかったなぁ(なんのこっちゃ?ですね)」などと会話を重ながらも、とってもいい経験をさせていただいたと感激しました。
と、全国の地域生活支援を支えようと真摯に活動されるみなさんへの敬意の念と、どうしても噛み合いきれない自らの思い⇒なんなんでしょーか?…⇒ワイドな視点への無実感(というか、無知感?)か、超マクロな視点の不在感…?と言うのかしら??…、も、再沸した一日でした。
なんのこっちゃでしたが、必要なモン(モノ)は、存続し、というか、いるもんはいる(というか、らなあかんモンはやる)、といったことは、みなさんのきょーつー認識なんでしょーね、、と、とってもいい気持ちにさせていただきました。