日時: | 平成17年12月17日(土)、18日(日) | |
場所: | スワンホール第一会議室(17日) 介護老人保健施設 伊丹ゆうあい(18日) |
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主宰者: |
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講師: | アップストリーム・阪神NPOセンター 松岡 孝司氏 関西STS連絡会 柿久保 浩次氏 いばらぎ自立支援センター 六條 友聡氏 医療法人社団星晶会 理事長 松本 昭英氏 スッテプ21 伊良原 淳哉氏 JAF兵庫支部 上原 秀介氏 アップストリーム障害者支援センター 山本 英雄氏 関西STSインストラクター 神野 順子氏 菅 一郎氏 谷田 氏 目堅 氏 遠藤 準司氏 井黒 徹也氏 後藤 真氏 |
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受講者: | 29名 |
研修の目的
安全で安心して利用できる移動・送迎サービスがより多く提供されることを目的に、運転協力者として活動を希望する人、および活動している人が求められる正しい知識と、運転および介助などの確かな技術を習得し、運転協力者として活躍すること。
法的文書には、福祉輸送、福祉運送、輸送サービスと言う表現をされているが、利用者さん側から見ると物扱いされているように感じるので、移動サービス、送迎サービスなどとと言うことが望ましい。
移動・送迎サービスとは
日常生活の中で外出が困難な方々がいつでもどこへでも、自分の意思で移動できる公平な社会システムの創造をめざし、その一つの手段として移動・送迎サービスをおこなっているのです。日本の現状は、アクセシビリチィ(施設、建物内の使いやすさ)面では世界の中でも高いとされているが、モビリティ(目的地までの移動)面では世界の中でも低いとされている。
利用者とのコミュニケーション
声かけが一番重要である。利用者の心理的な不安を和らげたり、介助中や乗車・送迎中に注意を促したり、危険を回避するためで利用者本人が確認でき、必要な意思を伝えやすくするためです。また、言語だけがコミュニケーション手段ではないので返事がないからと言って、こちらの言っていることが通じていない訳ではない。声かけをするのをやめてはいけない。乗車、降車中の注意点
スロープ車の場合、車イスでスロープを上る時ステッピングバーを踏み込み前輪を浮かして上がっていく。この方が振動が少なく利用者に対して負担が少ない。リフト車の場合、リフトを上げる時に片手でリフト昇降ボタンを操作しもう片方の手で必ず車イスを支えるようにする。この時、車イスの後ろ側からが望ましい。昇降中は手や足を車体などにぶつけないように注意を払う。ドアを閉めるときは風を逃がすようにするために窓かドアを一箇所少し開けておく、閉めて切ったままでドアを閉めると風圧により耳の鼓膜に影響を及ぼす事もあるため。降車時も乗車時と同様に危険を予測して介助する。運転中の注意点
利用者を乗せた後運転席に座る前に、車の前後左右の安全を自分の目で目視し確認する。運転席に着いたら、ミラーの調節をして死角を少なくする。それと、車の振動や揺れ、車内の温度、風などによる利用者の表情や後部座席の様子を確認するために、ルームミラーは利用者や後部座席に座っている介助者の顔が見えるように調節する。利用者の体調が急変した時・・・・・速やかに安全な場所に車両を止め、声かけをしながら利用者の様子を見る。意識の有無や、呼吸の状態を確認する。意識がなく容態が不明の場合は、救急車を呼び事務所に連絡をして利用者の家族に連絡してもらい、救急隊員が到着するまで離れず救急隊員が到着したら、それまでの間の様子の変化を的確に伝える。
安全運転のための心構え
- "急"が付く運転は避ける。
- 速さより安全が優先。
- 声かけを心がけよう。
- 利用者の顔や目の状態を見守る。
車両事故の対応
- 利用者の安全を確保する。
- 利用者の移動への支障を最小限にする。
- その後の運行への影響を最小限にする。
車両事故をしないために
運転中の自分なりのルールやくせを見直す。心に余裕を持ち、緊張感を緩めないようにする。交差点から30メートル以内がもっとも事故が起こりやすいので特に注意が必要とされる。4条 患者輸送限定 事業輸送 緑ナンバー |
43条 特定旅客運送 事業輸送 緑ナンバー |
80条 福祉有償運送及び 過疎地有償運送 白ナンバー |
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法人格 | 限定なし | 限定なし | 非営利法人 |
利用者 | 移動制約者 (手帳のある人) |
特定会員 (要介護者等) |
移動制約者(会員であること) 運営協議会の了解を得た対象者 |
ただし、持込車両は介護保険及び支援費利用時のみ | |||
使用車両 | 福祉車両 ただし運転手が訪問看護員等であればセダン車両可 |
限定なし | 過疎地:限定なし 過疎地以外:福祉車両 |
訪問看護員の持ち込み車両(自家用自動車) | 可 (要80条許可) |
可 (要80条許可) |
可 (福祉車両のみ) |
業務車両の配置 (緑ナンバー) |
最低1台 | 最低1台 | 配置義務なし |
運転者の免許 | 2種 | 2種 | 原則2種 ただし研修を受ければ1種でも可 |
持ち込み車両は研修を受けた1種の訪問看護員でも可 | |||
許可の手続き | 運輸局に直接申請 | 運輸局に直接申請 | 自治体が主催する運営協議会の協議を経て運輸局に申請 |
講習会に参加して
講師の中には利用者の方、ドクターなど専門的な方々の生の声を聞くことができました。その中でも特に印象に残ったのは利用者に対する接し方のところで、どうしても介助者が上にたっているのをよく見かけるという話がありました。自分も思いあたるところがあり、反省しました。さらに実技では、インストラクターの方が各車両に乗られ交代で利用者役、介助者役になり、どのような運転が車イスの利用者に負担が掛かるのかを体験でき、これからの運転の参考になりました。今回の講習会で得たものを生かしてこれからも活動していきます。姥谷 博幸