前回お伝えした「新設された介護補助制度の廃止」についての続報です。
県障害福祉課に確認しましたところ、15年度予算での制度の廃止はありえない、ということで、この情報を否定しました。ただし「予算額の削減はあるかもしれない」と付け加えています。
すでに今朝の新聞報道で御存知のように、千葉県は今年度財政が赤字の危機にあるようです。赤字額はいまのところ260億円ということで、県職員の人件費削減などで乗り切るようですが、削減案の一つに「予算に計上された事業の執行停止」というものがありました。
これを14年度補正予算に組み込み、支出を減らして赤字にならないようにしよう、ということだそうですが、ひょっとしたら介護補助制度も「予算執行停止」に該当しているかもしれません。
そう考えると、今回のある市町村福祉課管理職からの情報である「予算の概算要求に介護助成制度が計上されていない」と言う情報が、「14年度補正予算の概算要求書に計上されていない」という内容であることが予想されます。
そうなると、いままで障害福祉課の対応が遅々としていた理由も、これを見越してのことか、との推測が成り立ちます。
推測でものを語るのはまずいでしょうが、今年新設された介護助成制度が、今までの状況を考えると予算の執行停止対象になる可能性がかなり高いのは確かかとおもいます。
同時にいえるのは、あらゆる福祉関連の県単独事業がカットされ、予算化された事業まで執行停止になる、という県財政の状況の中で、今以上に介護助成制度の金額引き上げを要求するのは大変困難な仕事である、ということです。
1団体70万円という額は下がりこそすれ、上がる見通しはないでしょう。障害福祉課の話によれば、福祉作業所、小規模福祉作業所に関する制度も運営補助が削減される、とのことでした。
そうなると、千葉県の障害児放課後クラブとしては、県政に対し障害児放課後クラブとしての単独の位置付けを要求していく作業と同時に、当面の運営費対策として「支援費」の指定事業者になることを考えていく必要があるでしょう。
ある市町村障害福祉課の話では、おそらく支援費導入の初年度は利用者負担は安く押さえられるだろうが、1年後に支援額の見直しが予定されているので、そこで利用料の大幅引き上げ等も充分予想される現状である、ということです。
本日、厚生労働省で都道府県担当者会議があり、支援費の額が公表される、とのことですが、今しばらく状況を見定めながら、各団体ごとに支援費の導入を決めるのがベストかとおもいます。
支援費のもう一方の問題は、指定事業者になることによって団体に様々な条件が付けられることです。
例えば「児童デイサービス事業」なら、18歳未満の心身障害児、ということなので、じゃあ高校3年生で18歳の子はどうするのか、学齢期前の子どもたちも対象にするのか、利用者を会員に限らず一般に広げるのか、そうなると設立から関わってきた会員さんと新たに希望する利用者さんとをまったく公平に扱うことになるのか、など。
また利用者側としては、留守家庭対策として、共働き家庭の子どもを預けていたが、支援費の認定で段階が低いため、週に3日しか放課後クラブの利用ができません、と言われる可能性が出てくるのではないか、という心配が出てきます。
「デイサービス」の概念からすれば、レスパイトとして好きなときにいつでも預けられる、という状況は難しくなるでしょう。家庭の状況、収入、障害の程度などを総合的に判断し、市町村の窓口が「この子は週に3日の児童デイサービス事業利用が適当」とされた場合、それ以上の利用は難しくなるかもしれません。
何せ、今回の支援費は、利用者に判定を下すのが市町村の窓口なので、仮に「障害児の放課後」にまったく理解のないような役所であれば、そんなものは必要ない、とするかもしれません。
支援費の指定事業者になるにしても、ただ運営費が楽になるから、だけでなく、上記のような様々な問題が同時について回ることも考えてください。今の事業形態のほうが自由に事業を運営できることも忘れないで下さい。
余談ですが、昨日勤務先の校外学習で、東京ビッグサイトで行われている「国際福祉機器展」を見学に行きました。そこで「支援費」支援ソフトなるもののデモンストレーションをいくつか見てきましたが、支援費の複雑な会計処理がいとも簡単に行えるようで感心しました。
ほかに「措置費」支援ソフトや社会福祉施設運営支援ソフトなどがたくさんあるので感心しました。こういうものが「支援費」の導入と同時にビジネスチャンスになるのだな、感じました。
支援費について、役所に聞くほどでもない単純な疑問などがあれば、事務局までいつでもお答えします。