地域生活を考えよーかい

地域生活を考えよーかい

障害福祉課M係長とのお話し会へのオススメばなし

掲載日:2002年3月2日
文責:地域共生スペース・ぷりぱ
李 国本 修慈


 前略です。大野さんからご連絡いただいたMさんとのお話し合いでの参考にと、ちょろっと色々書いてみました。参考にどうぞ。


 とりあえず、このお話し会、行政と市民の「協働地域づくり」といういまどきぴったりのカタチのお話し合いやなぁーという認識で以下です。

 まんず、支援費支給制度は2003年4月から施行・・・、これはみなさん周知のとおり。

 で、これの理念は「地域で障害者(児)のといわれる方々が、極普通の生活を送れるように・・・というノーマライゼーションの理念にのっとった利用者主体のサービス提供制度(システム)」ということ。まず、これは確認。

 で、利用者主体とは、@.自分が(本人が)望むサービスを要求(申請)できる、A.自分が望むサービスを選べる、といったことなどが挙げられると思います。

 して、我が尼崎市ではどーでしょーか?。例えば「ヴィ・リール」「ぷりぱ」の利用状況を見れば、いわゆる居宅生活支援というサービスの需要量は凄まじいものがあったといえると思います。実は「あった」のみではなくって、「まだまだある」というのが事実であると思います。

 そして、みなさんが考えないといけないのは「自らが必要なサービスはなんなのか?」ということと、「その品(サービス種類)と量は自分の暮らす地域には足りているのか?」といったことであると思います。

 で、今回のお話しの要点であるところの「ショートステイ」と「ホームヘルプ」を例にとって考えてみたい。


 まず、「ショートステイ」については支援費支給指定事業所には「社会福祉法人に限定」という国の意向もあって、現在ショートステイの受け入れ先となっている「ヴィ」「ぷ」ともに、「ショートステイ(短期入所)」の指定事業所にはなれそうにないです(万が一に国へのせんだっての要望が通って指定事業所になれるかも知れない・・・確立は1%以下かな?)。

 でも、県は「緊急一時保護家庭」の制度は「残す」と明言されてます。ですので、今後も今のような「カタチ(緊急一時保護家庭)」は続くのですが、その際の事業の行政負担額の比率なども問題(支援費制度にのっかれば県・市ともに4分の1づづの負担ですむ)ですが、もっと問題にしなければならないのは、「その(ショートステイの)キャパシティ(量)」の問題だと思います。現状で「ショートステイ(緊急一時保護家庭=兵庫方式での)」の需要は凄まじく、まだまだ伸びる、いわゆる「右肩上り」の事業であります。 で、その理由を考えると、利用目的(理由)が「レスパイト的」、「学童保育的」、「デイサービス的」、「ホームヘルプ的(ホームヘルプの意味については後に記述)」などであることだと思います。裏返せば、それらのサービスがこの地域(尼崎)には乏しいから・・・ということが言えると思います。

 で、支援費制度に戻ると国は「利用サービス量に上限はつけない」と言っていますが、支給にあたる勘案事項には「サービス基盤の整備状況」も入っているという、なんともこのまんまでは混乱が避けられない状況であるように思います。 よーするに利用したいと申請すれども「量」がなければ、いわゆるパイの奪い合い・・・といった状況になるわけです。

 そうならないためにも、「サービス基盤整備」は、今、非常に重要であるわけで、このようなお話し会の意義は間違いなくある!!と思うところです。

 さて、「量」の話しが出たのですが、その「品(サービスの種類)」についてはどーでしょーか?。支援費に移行するサービスは「ホームヘルプ」「デイサービス」「ショートステイ」ということになります。その内、「ショートステイ」に関しては「ヴィ」「ぷ」がこの地域にあればこその供給量確保であった(と言ってもぜんぜん全てを満たしていない)と思います。今の「措置制度」では「措置決定」において行政主体でサービス提供がなされるわけですが、「利用契約(支援費)制度」では当人の要望(本人主体という意味)サービスに行政(これがまたMさんらには大変やけど、『市』だ)が応えなければならない(対等のサービス受給関係という意味)・・・ということです。

 で、やっぱり、この地域にはサービスを得ようとする方々への充分な「サービス量」はありますか?とみなさんに問うてみたいのです。これは行政の方のみにつきつける言葉ではなくって、それこそ市の財政も考えーの、市民みんなが考えるテーマやと思います。

 そして、現状で、その「量」は足りてないんですね。これは実際に生活支援事業をやっている我々が言うから間違いはないです。そして、潜在的なニード(需要)は更に埋もれています、と言いきっていいと思います。 

 で、(ばっかりでスイマセン)具体的に、まずは支援費に移行するサービスとして、@.ホームヘルプは活性化していますか?・・・、これも支援費移行後は利用者が申請すれば提供できる体制を整えておかなければなりません。A.デイサービスはありますか?・・・これも同様、需要はあります、間違いなく。今我々が受け入れさせていただいている「日帰りショート」も「デイサービス」的な利用であるとも言えます。土・日に祝日にもそれらの利用ニードは間違いなくあると思います。B.ショートステイはどうしますか?・・・「ヴィ」「ぷ」ともに「指定事業所」になるにしてもならないにしても@、Aと合わせた上でのサービス提供量は足りませんね。

 としての具体策ですが、いろんな考えや方法はあると思います。まず大切なのは「あるものしか利用できない」という現状で、創り出すという発想も大切(デイサービスなんて、どーなるの・・・これについても案はありますが)ですが、とりあえずは今回の話題にもなっている『ホームヘルプ』について。

 まず、この活性化状況に目を向けると、なんとも悲しい現状です。とりあえずは国が示す平成12年7月7日に出た「障第529号」通知は熟読、熟知の上、要綱の改定は必要です。 で、もともと「ホームヘルプ」に関しては、なんとなく「居宅(内)介護」のイメージですが、いわゆる「身体介護」や「家事援助」のみではないということは一応確認しておきましょう。よーするに「見守り」や、「同行」「相談」等も含まれるということ。ここは大事で、支援費制度移行後の居宅介護の柱は「ホームヘルプ」と言っていいと思います。

 せんだって出た省令案(今月末には正式な省令として発表されます)にも居宅介護(ホームヘルプ)に関しての基本方針は「利用者が居宅において日常生活を営むことがでるよう、当該利用者の置かれている環境に応じて、入浴、排泄、及び食事などの介護、調理、洗濯、及び掃除などの家事、生活等における相談及び助言並びに外出時の介護を適切に行うものとする。」とあります。これらの要綱、省令案などと比べて、尼崎市も「利用者本位」の要綱への改定は早急に必要だと思います。

 と、このヘルパーの派遣については現状では、市の「委託事業所」からの派遣となっていますが、なかなかそれぞれの障害者といわれる方々に見合う(変な表現ですいません)ヘルパーは派遣されにくいのが実情で、それが活性化しない一理由であるのはいうまでもありません。と、なると、例えば知的障害といわれる方々に対してのサービス提供者である社会福祉法人や、今春に「届け出制」によって指定事業者を申請し、今秋には指定事業所となるNPO法人などに委託してみてはいかがなものか?。ホームヘルプは現状でも国庫補助事業であるので、支援費制度移行に関しての準備モデルケースとしても意義はあると思います。

 そして、大事な事は「今あるサービス」の活性化と支援費制度移行後の支援費「内・外」のサービスをうまく利用していくということ。尼崎市にはひとつ、単独事業としての「他人介護助成」制度があって、これもおおよそ、利用価値があるにもかかわらず充分に利用できていない制度であると思います。 

 これからは支援費支給サービスに関してはその量が、また、支援費支給外では地方自治体の独自のサービス品(種類)が、その地域で豊かに暮らすには重要になってくると思います。

 そんなんで、みんなでいろいろ考えていきましょう、ね、と。

そんなんで、各地の独自サービスなど。
埼玉県障害児・者生活サポート事業。
群馬県心身障害児(者)生活サポート事業。
前橋市心身障害児集団活動・訓練事業。
北信圏域タイムケアサービス。
(千葉県東葛市町村)在宅心身障害児者一時介護助成制度。

 あと、新制度への周知方法や障害者プランについても、きっちりとしたカタチをつくらないといけません。また、Mさん宛に提言書作りますねね。以上でした。


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