地域生活を考えよーかい

地域生活を考えよーかい

伊丹で安心して暮らせるシステムを創りませんか
〜地域で暮らし続けるためのケアマネジメントと支援費支給制度移行への準備年として〜

掲載日:2002年3月5日
文責:地域共生スペース・ぷりぱ
李 国本 修慈


 前略です。とりあえずは平成13年度も残すところあとわずかで、平成14年度はとっても重要である「支援費支給制度」移行(平成15年度4月)の「準備年」です。


 とりあえず支援費支給制度(利用契約制度といいます)の理念として、これまでの行政主体の福祉サービスの決定(措置決定=措置制度)から、「本人主体で、かつ、利用者と提供者が対等な立場で、サービスを選べる」(利用契約=支援費支給制度)という、いわゆるノーマライゼーションの考えであると言っていいかと思います。

 それは、いわゆる「地方分権」と「規制緩和」というキーワードのもと社会福祉基礎構造改革が行われ、いわゆる障害福祉分野にもそれ(構造改革)がやってきたということです。

 で、なかなか解りにくいと思うのですが、この制度(支援費支給制度)の特徴というか、その持つ意味を簡単に説明します。

 まず、支援費制度の事務大要などによると「支援費制度においては、障害者の自己決定を尊重し、利用者本位のサービスの提供を基本として、事業者との対等な関係に基づき、障害者自らがサービスを選択し、契約によりサービスを利用する仕組みとしたところである。」とあります。


 で、要約。

  1.  まず、利用者本位であるということ・・・これまでの「措置決定」とかいう行政主導ではないということ。

  2.  サービスを選べるということ・・・これも1と同様の意味合いであります。よーするに自分が望むサービスの品(種類・・・支援費制度での居宅サービス類は@.ホームヘルプ、A.ショートステイ、B.デイサービス、と、C.グループホームです)と量は自分が選べる(と言っても決められる訳ではない・・・後で記述、申請できる、ということ)ということ。
  3.  契約制であると言うこと・・・よーするに事業者と対等ということで、不服・苦情も言える、すなわち契約解除もできるということ。

 で、もうお気づきかと思いますが、この制度の「理念」は、とても素晴らしいのは一見にして感じ取れるのですが、実際にそれが現実的なのかというと、まったくと言っていいほど現実的でない、しかも、後退するような動きがこれまでの省令案などで明らかになってきています。 ひとつ、例にとってみると、「選べる」サービスの品(種類)と「量」はあるのか?=選べるのか、?利用者主体といっても契約の主体はほんとうに利用者にあるのか?=代替のサービス提供量なんてあるのか?、などなど考えると現状では答えは簡単に「NO」と言えると思います。

 では、何をどうすればいいのか?ということを考えましょう。
 支援費支給制度では「決めれらる=自己決定」「選べる=主体・契約」がポイントであることは前述の通り。しかし、これまでに出た事務大要などでは、支給決定にあたる「勘案事項」に@.「サービス基盤整備の状況」や、A.「同居家族の状況」などが入っています。 

 どういうことかと申しますと、@について、解釈として、現状でない(品・量ともに足りてない)サービスを支援費として支給はできない・・・ということです。付け加えると、予め利用しようとする事業所が決まっていないことには支給しようがないということ。

 A.については、理念であるはずのところであった「本人支援」という意味合いが薄らいでいる=家族介護・・・これまでの家族(多くはおかーちゃんの背中にかかるのか?)介護が前提のような気がします。これ、問題としてあげてます。

 ただ、一応「国(国本のことではない、厚生労働省のこと)」は@については「市町村においては、サービス基盤整備が重要である」というフォローはしていますし、Aについても「家族がいる場合に支給しないという旨ではない」とは言っています。

 まぁしかし、これも、国の逃げ口上といっていいかも知れません。後は「自治体にお任せ」といったよーな感じですね。

 が、しかし、Aについては依然「障害児(者)は家族(個人責任)で育てるもの」という考えから脱却できてないことが伺えてなりません。北欧などによる「障害は公的保障」で、というのが理念ではあるはずなんですが・・・、このあたりは、また、別機会で。

 で、@について、今ここで、みなさんで考える必要があると思うわけです。

 で、サービス品(種類)と量が、我々の暮らす地域(伊丹市)にあるのかないのか?といったことを考えるには、まず、どんなサービスがいるのかを明確に示すことが大事です。

 次に、その量はどのくらい必要なのかを考え示す事が必要です。
 そのように具体的な必要サービスの種類と量を出していき、組み合わせていくことを「ケアマネジメント」といいます。

 ケアマネジメントの目的は生活の主体者である利用者等が望んでいる「健康で文化的な暮らしや生活」を実現することです。そのためには利用者さんの主体性、自主性、選択性を尊重し、専門職だけで決定するのではなく、すべての過程において、利用者等の意向を十分に生かしたケアマネジメントを行う必要がある・・・とされています。

 で、そのケアマネジメントの手法(というか発想でいいと思います)を活かして、今の本人さん及び家族のみなさんが主体的に必要なサービスなどを挙げていく「セルフケアマネジメント」を行ってみては?ということです。

 横文字は難しいでしょー(?)が、よーするに、「こんなサービスがこれだけあったら、もっと健康で文化的な生活ができるやん」といったふうに考えてみましょう・・・ということ。

 で、もっと具体的に言うと、例えば「毎日、いやいやせめて週3回はホームヘルプいれてほしい」とか、「夜の一時預かり(ショートステイ?、ナイト・サービス?)がいる」などなど・・・。

 で、支援費制度下では、これらの要望も「申請」する事ができます、が、・・・と言ってもないもんは提供できん!!(支給量の決定権は市にあります、もちろん不服申立はできますが)、となると、今の措置制度となんら変わらない事となっちゃうわけです。

 で、なんとも長々となってしまったのですが、「今必要なサービスの、せめて品(種類)は明確にし、ないモノを創る」といった発想が必要かと思います。

 と、言っても、「創る」なんちゅーても、どないする?となるのですが、そこはやっぱり、行政とのお話し合い「協働作業」には持って行きましょう。

 例えば、現状での「ぷりぱ」への需要量も凄まじく、「ショートステイ」に関しても、現状でも不足・・・。

 量が不足は明らか、で、この先「地域で暮らしていく」方々が明確に必要量を示す(何度も言うようですが、必要な品・量を示すことが大事です)ことで、不足量はどんどん明らかになっていきます。そこで、みんな(行政・当事者・周辺の方々)で一緒に考えましょう・・・というふうにはしていきたいです。

 ぷりぱでは、できるだけのお応えはしたいと考えてはいますが、それも限界・・・と同時に、新たな事業所、事業者や、ひとりの「当人」を支えるネットワークやシステムなども伊丹で創っていく必要があるかと思います。

 そんなんで、今後の基本的な方針というか方向(支援費制度移行までの準備年を含めて)を相互確認するためにも、一度、市民福祉部地域福祉室障害福祉担当・平井賢一さんとお話し会を持ってみてはいかがでしょうか?。その内容や提示資料などは用意できると思います。

 あと、お母さん方に、「こんなサービスが欲しい!!」というのがあればお伝え下さい。「こんなんが困ってます!!」でもOKです。できればより具体的におっしゃっていただければ色々考えていきたいと思っています。

そんなんで以上です。

早々。


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