地域生活を考えよーかい

地域生活を考えよーかい

尼崎で考えていきたいこと

尼崎市議員・丸尾牧さんとのお話し合い内容でっす。

掲載日:2002年5月28日
作成:地域共生スペース・ぷりぱ
李 国本 修慈


 とりあえずは支援費制度についての概要などはこれまでにお知らせさせていただいたようなことです。

 そこで、やっぱり危惧するのは、制度の内容が明らかになるにつれて、理念であるところの「ノーマライゼーション」であるといった意味から徐々に後退していっているところで、利用者主体(対等という言いかたをしてますが)という制度にいかに近づけるかは、まさに地域力=市民力であると思います。以下ね支援費制度における問題点の列挙です。

  1.  まず、この制度移行そのものの周知がなされていないように思います。理由としては国が示す省令も遅れているのですが、やっぱり少数派(?)である障害者施策についての話題の機会はかなり低い(例えば介護保険移行時などと比べてメディア等によるとりあげ方などと比較して)ように思います。ましてや知的障害といわれる方達への周知はより以上の働きかけがいると思うのですが、なかなか届けたいところに情報は届いてないといったところが現状です。
  2.  そして、秋からは本人さんへの「調査」が始まります。ここでもきっちりとした調査がなされるのか、甚だ疑問です。「必ずしも面接によるものでない」といった国の示しもあるのですが、日々、というか1年もあれば状況はがらっと変化してしまう方も当然いらっしゃる中で、これまでのデータ(と言っても手帳などによる種別・等級などのみかと思います)をもとに、曖昧な調査になってしまうことも考えられます。誰がどのような方法で「きちんとした調査」をするのかは重要です。これ、介護保険時もそうだったと思います。
  3.  そして、支給申請をするわけですが、ここでも例えば介護保険を例に取ると、いわゆる「ケアプラン」は「必ずしもたてる必要はない」と国はしています。とすると、誰がプランをたてて、きっちりとした支給量を申請するのか・・・。当然ご本人、もしくは後見人、もしくは家族・・・ということになるのですが、全ての方ができますでしょうか・・・。ここらあたりもはなはだ曖昧といわざるを得ません。後見人制度にしてもなかなか活用はされてない。そして、それをバックアップすべき「支援事業」というのがあるのですが、こちらもなかなか活性化していないのが現状です。「セルフケアマネジメント」、誰がサポートするんでしょうか・・・。
  4.  そして、支給決定されるのですが、ここで支給を決定するにあたっての「勘案事項」という項目がそれぞれ(居宅・施設共に)あげられているのは、以前の資料に提示したんですが、その中に「サービス基盤の整備状況」という項目がありまして、それは何を意味するかと申しますと、ようするに「今あるサービス量の範囲でしかサービスは提供できない、すなわち、ないサービスに対する支援費支給は行えない」ということです。ここらあたりがなんともおかしな「利用契約」制度となってしまいそうです。と、もうひとつ、勘案事項の中に「介護するもの(同居家族)の状況」と言う項目もありまして、これも本人に必要なサービスを選べるといった観点からは、甚だ疑問な点のひとつです。それぞれに国が示している言葉としては「サービス基盤の整備は重要」であるとか「かならずしも同居家族がいるから支給しないという意味合いではない」とか、「支給量に上限はつけない」と言っているんですが、しかし、その言葉に決定権はありません。このあたりがとても「曖昧」に思えてならないのですが、これが「規制緩和」「地方分権」とするならば、やはり、この地域できっちりと「曖昧」部分を是正していくのが我々の仕事かと考えています。

 あと、支援費制度ばかりに目をとられがちなんですが、例えば居宅生活支援(在宅福祉サービス)を例にとって考えると、支援費に移行するサービスは4種類で、尼崎においては、そのそ種類・量ともにまったく足りていないということは明確であると思います。

 と、支給量というのは決定後突発的な変更(増やす)は、短期入所以外にできない(当該月以内ではという意味、状況に変化があれば申請の変更はできます)、しかもその他のサービスも量的に不足している。となると支援費外のサービスも必要となってきます。例えば間違いなくあるニードとして「移送・送迎」、学齢期の方々の「放課後活動」及び完全修五日制による「土日活動」に「長期休暇活動」、児童福祉施設に入所されている方の帰省時の在宅サービス利用(児童福祉施設は支援費に移行しません)など、課題は多岐にわたります。

 なかなか羅列するといくらでも問題点はあがってくるのですが、ぜひそういった話題を広く提供していっていただきたいと考えています。

 具体的な個人事例はたくさんあります。もちろん障害福祉分野のみでなく教育的な立場からのサポートが必要な方も多くいらっしやいます。

 ぜひ、これまで以上に尼崎の障害児・者といわれる方々の暮らしに関わる問題提議をよろしくお願いいたします。

以下、キーワードです。
さわやかあまがさき障害者計画
療育等支援事業
障害者(児)短期入所事業
ホームヘルプ事業
在宅心身障害児及び重度知的障害者介護人助成制度
尼崎の生活支援を考えるネットワーク
社会福祉事務所
障害保健福祉圏域
成人後見人制度
権利擁護推進事業
ケアマネジメント推進事業


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