地域生活を考えよーかい

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緊急一時保護家庭制度について

掲載日:2002年9月11日
作成:李 国本 修慈


 今、緊急一時保護家庭制度(以下、緊保家庭制度と記す)が存続も定かでないような状況で揺れています。

 利用当事者である母親みなさんでの協議が行われており、また事業者間での協議もされるようです。

 ひとつ、整理すると、いわゆる利用契約=支援費制度へと転換する来期(平成15年度)に、この制度の位置付けをどうする(どうなる)かということですが、今春に厚労省・郡司課長発言から危惧されていた「ショートステイ(国の短期入所事業)は、社会福祉法人(施設)に限定」発言というところから、県の単独事業「緊保家庭制度」の行く末は案じられていたところです。

 その需要は、1999年以降にみられる「生活支援センターヴィ・リール」及び、「地域共生スペースぷりぱ」での利用状況に著明に表れているかと思います。

 当事者(主に保護者)の思いとしては、おそらく、願ってもない制度(これもたまたま兵庫県にあったということで)が、偶然にも尼崎周辺にできた上記事業所によって利用できるようになったことで、「ないこととされていたニード(使い勝手の悪い短期入所事業利用)」が、「要求(利用)できるニード」となってきたことが、今春に集められた尼崎市・西宮市を中心とした3000通を超える「緊急一時保護家庭に関する要望書」にも表れていると言えると思います。

 また、事業者としても、この制度の運用により多くのニーズを満たしてきた(しかし、満たしきれてはいない)ということで、この制度が担ってきた部分でのサービス量の後退がないように願うところだと思います。

 そこで、今、「緊保家庭制度」に関して、位置付け・存続の有無が、県の意向が明らかになされていない(6月以降にもこの件に関しての質問書を障害福祉課に提出していますが未回答)中、議論されて(されようとして)いますが、県・市、もしくは支援事業を中心とする調整会議等では、当事者による明らかなニーズと要望に対するサービス基盤の整備状況を具体的に考え、推し進めていってほしいということです。

 たとえば当事業所(ぷりぱ)では、その(緊保家庭制度)緩やかな運営基準によって、おおよそ規定外れであろう利用者数のニーズを受けているといった現状があります。

 利用契約へと移行する中、このような状況での「緊保家庭制度」の存続も危惧するところです(そもそも多人数の利用者を同一箇所=家庭でステイするといったことではなかった制度だと思います)。

 具体的には、市の明確な「緊保家庭制度」(新規事業としての位置付けと適正な運営基準の設置)の位置付けと、それに対する県の支援体制の明確化が、今後の地域福祉を形成する上でも必要であるかと思います。

 また、サービス量の後退、及び、基盤整備に関しては、「緊保家庭制度」が担ってきた、「レスパイト」、「放課後活動場所」、「日祝日活動場所」、「長期休暇活動場所」などの機能を補う、と言うより、むしろ拡大していく議論を強く願うところです。

 その手段は「ホームヘルプ」の活性化はもとより、規制緩和の中での「通所施設やNPO法人でのショートステイ(支援費内での、もちろん日中利用を含む)」や、「他人介護助成事業」、「障害児・者デイサービス事業」などの創設に、「児童ホーム(学童保育)での統合保育」などが考えられると思いますが、多くの方々に上記のことを考えていただきたく思う次第です。


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