地域生活を考えよーかい

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居宅支援費単価の厚労省案を見ての感想

9.12支援費課長会議概要メモです。提供は東京都社会福祉協議会・朝比奈ミカさんです。

掲載日:2002年10月1日
作成:東京都社会福祉協議会
朝比奈ミカ


 とりあえず出た単価(案)について、独断での感想を書いてみます。

 まずは良くも悪くも予想通りだったんですが、ホームヘルプの身体介護がおおよその予想よりもしっかりと上乗せされた感があって、1時間以上、1.5時間未満で5870円となってまして、これは思わず「おーっ」と喜びました。まぁ、介護保険と同水準ということで、せんだっての介護保険事業者の障害者支援を行う上での要件緩和とともに、いわゆる事業者(介護保険サービス)参入へのてだてというべきでしょうか・・・、まぁ、いいことだと思います。

 と、仮にぷりぱの現状をスライドさせると、「ガイドヘルプ」(居宅介護の内の移動介護)で見てみると、多くの日中利用者の方が、「身体介護を伴う場合」(やいこしいですが、移動介護の中にも「身体介護を伴わない」ケースと「伴う」ケースの価格差別があります)に合致するので、それがそのままスライドするとかなりの収益増となります。

 まぁ、これはあくまでも事業者サイドでのニンマリ部分でありまして、利用者サイドにたつと、この指定事業所という制度に乗るということで、その運営基準でのサービス提供ということになり、ヘルパー不足(これまでのような労基法違反丸出しの勤務は強いれない等)による供給不足が間違いなくおこります。これも、運営基準の至って緩やかな「緊急一時保護家庭制度」に依存してきた(せざるを得なかった)弊害でもあるかと言えるかな・・・と思います。

 ここは、早急にヘルパー養成に最も力を注ぐべき時期にきたといえるかと思います・・・事業者サイド思考でごめんなさい。

 そして、家事援助がやっぱりやっぱり低単価・・・1.5時間未満で2230円・・・となってしまっているのですが、もひとつ、この額が身体・知的ともに移動介護(ガイドヘルプ)の内の「身体介護を伴わない」ケースに連動した金額になってまして、このあたりが問題・・・というか、疑問です。いわゆる「見守り」的同行(決してほっとけない方等)なんてのはどうなるのか・・・。

 介護保険と比較すると、介護保険では「生活支援」という名目で家事援助が、その他の介護と合わさって単価が引き上げられる方針のようなんで、いずれはこちらも改正されるのでしょうが、その際の身体介護の値下げ案(案じるの案です)とともに問題だなぁと思わざるを得ません。

 そして、話題の全身性介護人派遣の行方ですが、どうもそれが「日常生活支援(仮称)」ということだそうで、その単価も低く設定されています。して、「日常生活支援」は、他の居宅支援(ホームヘルプ)と併用できないこととなってまして、おそらくこれが介護保険での3級ヘルパーの5%削減単価と整合を持たせ、せんだって(7.16事務連絡・・・支援費下での資格要件)の通知による知事認可の従事者をこの価格のヘルパーとして利用するということであろうかと思われます。と、すると、せこい(失言)財政難の自治体は、むしろ「身体介護(移動介護の身体介護中心も含む)」よりも「日常生活支援(仮称)」のほうの利用を勧めちゃったりするかも知れませんね。

 と、ホームヘルプに関しては、これまで学齢期の方が利用できなかった移動介護(ガイドヘルプ)も利用できるようになって喜んでおりますが、せんだっての(9.12の)会議にありましたように20才以下は扶養義務者(保護者)の収入による自己負担があるわけですが、これについては後で記述するとして、ひとつ、気になる点として、9月6日に国から都道府県に流された事務連絡(Q&Az追加分・寝屋川たすけあいの会富田さん提供による)によると「新設される児童の移動の介護については、屋外の移動に著しい制限のある視覚障害若しくは脳性まひ等の全身性障害又は知的障害児であって、保護者が付き添うことができない場合を対象とする」とありまして、ここいらあたりがちょっと運用をさまたげかねないかなぁと気にしています。気にしすぎかな。

 で、やっぱり低かったデイサービス及びショートステイ単価で、この辺はどうなんでしょうか?。全くの新規事業としては取り組めないように思いますが如何でしょうか?。単独型デイサービスの1日(2単位)単価が身体7150円、知的5910円(いずれも区分1の場合、区分3ではそれぞれ6120円、4690円となっています)となっていますが、まぁ多数の利用者さんをケアするということではこのような単価なんでしょうか?。それぞれ昼食提供、送迎加算がありますが、ちょっと感想ないなぁといった感じです。

 して、児童デイにつきましては、これで「学齢期の放課後・休日活動」を!!なんてことを考えてた輩(私もそうだ)にはとってもキツイ額で4時間未満が1910円の4時間以上が3810円となっており、やっぱり現行の通園事業想定価格ということで、区分も無しで、ちょっとここいらについては今後考えざるを得ないところですね。

 そして、ショートステイに関しては、ほぼ現状維持というより、少し下落しています。やっぱり甘かった制度改正による単価アップ・・・といったところでしょうか?。にしても身体と知的の60円ほどの価格差別(区分1について)はなんなんでしょうか?、まぁあんまり気にすることもないか・・・。

 それにしても、デイ・ショート共に、やっぱり温度差がある利用者(及び事業者)と厚生労働省・・・といった感じですね。デイにしても人員指定基準からして「おかしい!(こんなところを規制緩和してどうすんねんってな)」ということだったんで、こんな額というのは想像には優しかったんですが、医療機関利用時との単価差別も個人的にはとても納得いきません(これって言っても仕方ない??、でも支援費なんかだから・・・)です。ショートに関してはこれまで同様、施設のオマケ的感覚がやっぱし拭えないといったところですね。ここいらはきっちりと支援費プラスアルファの補助費を取っていくしかないんでしょうが、零細民間事業者にそんなことができるのか?と嘆いてしまうところです。

 そして、自己負担についてですが、それぞれのサービスについて所得税額に従い負担額が決まるということです。20才を境に扶養義務者(基準納税額者)の位置付けが変わるのは既にご承知の通りですね。

 今回大切なのは、20歳以下(正確には19歳以下でいいのかな?、この20才の線引きをどこでするのかが未だわかってません・私です)の方が利用する際の自己負担額ですが、まぁ当然利用が多い方ほど負担額が重くのしかかるということは理解しやすいですね。それでは困る(そりゃそーだ)ということで負担額の上限設定が設けられてます。まぁ、僕の感想としては、べらぼうな上限額でないなぁといった印象なんですが、このへんの評価はいかがでしょうか?。

 むしろ、僕が勝手に(でもないと思うのですが)考えるに、上限額を設定しているということは、もちろんその方(本人)主体のサービスが制限なく使われるためであると認識してる(できる!でいいと思います、この辺勘違いなきように)のですが、ここいらが仮にセコイ(また出た、失言です、)自治体によって利用量を制限されちゃうと、せっかくの上限設定の意味合いがなくなっちゃうじゃない?と思うのです。ここいらはけっこう大切なことかな、と思うのですが如何でしょうか?。上限に届くサービス量の必要を自治体が理解するのか、させることができるのかな・・・と、決して自己負担額の上限は利用量の上限ではないということ、ですね(ですよ!っかな)。けっこう「ウチ(例えば尼崎や伊丹の方が)の市には上限に達する方はおらへんわ」ってなことになるのはおかしなことなんだろうと思います。

 と、今回の単価表で最も注目すべきところは「知的障害者地域生活援助支援費(グループホーム)」なんじゃないかなぁと思うのですが、如何でしょうか?。

 その額は(一月あたり)、区分1の方で134740円、区分2の方で67370円となってまして、区分1への該当基準が「食事、排せつ、入浴及び移動のうち3つ以上の日常生活動作について全介助もしくは一部介助を必要とする程度、行動障害を有する程度またはこれに準ずる程度」となっています。

 ここらあたりをこの地域のみなさんにも積極的に取り組んでいただきたい(なんだか第三者的言いまわしですが)と言うか、いくべき道筋ではないかと思うのですが、如何でしょうか?

 そんなんで、カネには過敏な僕のテキトーな解釈とカンソーでした。一応参考に・・・、ならんかしら。

 後記1
・・・あんまり解ってない「地域生活援助費(グループホーム)」の使い道・・・、世話人の人件費に運営管理費、光熱費などなど?、利用者さんは家賃に食費のみでいいか?
後記2
・・・介護保険での事業者が障害者支援を行う要件の変更というのは8月8日に示された従事者の資格に関して「専ら(この言葉、どっかの指定事業所説明会でも再三聞いた言葉)」を「主として」を指します。
後記3・・・
と、言っても、制度はとっても重要だけど、生活に暮らしはもっと幅広く奥深いもんである・・・ということをいつも心においときましょう・・・。以上です。 

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