地域生活を考えよーかい

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『知的な障害のある人が、自分らしく地域でくらしていくには』
〜フォーラムの報告〜

池田市民フォーラム『知的な障害のある人が、自分らしく地域でくらしていくには』に参加しての報告と感想です。

掲載日:2002年11月22日
分責:李 国本 修慈


市民フォーラム(池田市)
『知的な障害のある人が、自分らしく地域でくらしていくには』
―本人主体、自己決定、自己選択のサービス基盤を地域でどうつくっていくのか―

 そんなんで、上記のフォーラムがありました。主催は公益市民活動団体・市民会議゛知的障害者の地域生活支援を考える会゛さんです。

 ということで、代表の榎本さんからのお誘いもあり絶好な機会だと参加してみました。

 まずは榎本さんからの挨拶で、これまでの取り組みが紹介されました。その趣旨に目的は『知的な障害のある人の地域生活を地域で支援していくための理解の啓発・ネットワーク・当事者本人(含む家族)の支援等の活動を通じ、障害のある人に対する理解と交流を図り、「障害のある人もない人も安心して暮らしやすいまちづくり」を目指す。』ということの説明がありました。なによりその真摯な取り組みに共感を覚えるところです。

 続いて根来さん(言わずと知れた桃太郎さん)から基調講演として「地域力を高めていくための行政、福祉関係者(社協、作業所)、親、市民の役割とは」と題してお話しがありました。

 そのひとつ、介護保険への突入!!ということで、来年2月のアメニティーフォーラムは、その点がメインテーマのひとつになるということでした。

 また添付資料に藤沢ぱるの取り組みや神奈川県の取り組み(案など)がありまして貴重な資料なんで、ご入用の方はご連絡ください。

 そして、つづいて寝屋川たすけあいの会・富田昌吾さん(いつも最新の情報を提供いただいています)から「制度を市町村レベルでどう生かしていくのか」というテーマでお話しがありました。はじめてお話しを伺ったのですが、なかなかの名口調で楽しい語り口でした。ポイントは「制度にニーズを合わせるのではなく、ニーズに制度を合わせる」ということ。おおよそ、我々が日頃お話ししていることと同様なことをおっしゃっていました。中でも「児童移動介護(ガイヘル)」には思いがあるようで、いかにその必要性を市民が認識できるか?、また、「支援費のみで生活は構築できるはずがない」や、「近所の住民が支えられるかたち」の必要性・可能性を語られていました。共感できる部分でした。

 ひとつ情報として、茨木市では手帳をお持ちの方全てに「申請書」をお送りしたということです。また、社協の役割についても辛口の批判を述べられていました。このへんもとっても共感部分でした。

 で、つづいて藤村出さん(横浜やまびこの里・仲町台発達障害センター)から、「自閉症の人の地域生活支援に向けて「地域での就労支援の実践を通して」というテーマでお話しがありました。実践の実際から、ジョブコーチの活用、自閉症の理解まで、我々事業所スタッフや、もっと多くの方に聞いてもらいたい内容でした。

 そして、最後にフリートーキングということで、根来さん、大塚さん(厚労省専門官)、広瀬さん(相楽福祉会)、藤原さん(全日本手をつなぐ育成会副理事長)のみなさんでのお話しがありました。

 その中では、事前に提出されている質問表に答えるといった形式をとってまして、これはちょこっとチャンスかなということで、3点ほど質問を提出してみたのですが、いずれもおそらく多くの方の関心事だったこともあり回答があり、内容は以下です。

  1. 療療育等支援事業の内容について(現在その呼称を含めた事業内容が改められようとしているようですが)と、予算や事業者の位置付けについて、回答は、そこ(委託事業者)に、評価制度を設け、ダメなら県への提言と共に、よりよい事業者(NPOなど)への委託変更も可能にしていく方向に向かうだろうということで、また、最重要であるケアマネジメントに関しても、その位置付けをいろいろ支援費における最大の手落ち箇所とした上で、その逆手を取っての有効利用などが語られましたが、まずは理想上は良くないとされる施設内や市町村からたちあげ、そこから移行していくべきではないかといったことが言われていました。
  2. そして児童移動介護について、大塚さん(専門官)は、「原則として『者』と同様」「者と同様に、ニーズにそくした利用ができる」ということでした。ただ、勘案事項にある「家族の状況」という項目もある通り、全ての方が同様で一律な支給量を受給できるということではないということです。が、しかし、おかしな制限が発生するサービスではないということです。
  3. それから地域支援を構築する上で重要な人材についての創出アイディアについては、まずは地域で(資金なりアイディアを)創りだし、それに公的なお金をつけていくといったことが語られていました。
  4. そして、ショートステイに関する「泊」のみにつく「送迎加算」については「単に予算がないので、…日帰り…に、まずは、つかなかった」ということでした。
  5. そして、確認できてよかったのは、移動介護に伴う「身体介護を伴う場合」と「伴わない場合」の基準についてなんですが、大塚さん曰く「例えば自閉症の方等で行動の制御が必要な方は『伴う場合』にあたるだろう」という解釈であるということでした。

 ただ、これらすべては大塚さんの解釈でして、それがそのまんま厚労省の決定ではないということ。と、言うより、その辺の裁量は市町村ということで、「どうか、市町村でうまくやってほしい」=「国にいちいち聞いてくれるな」ということでした。

 そんなんで、少し自らの考えなどに力をもらった気分の方々も多かったようです。

 それこそ、地域で決める事項をしっかりと共働で創っていきたいと思いました。

 そんなんで簡単でしたが以上です。


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