地域生活を考えよーかい

地域生活を考えよーかい

「私」がわたしであるために・・・Part C

掲載日:2002年12月20日
文責:「さいとう りか」さん


≪三田優子氏 講演≫
テーマ「利用者主体のケアマネージメント」〜利用者の声から始めよう〜

最近、新聞等でも話題になっている、施設解体とか、縮小とか、という流れがありますが、本当に知的障害者の暮らしは変わるのでしょうか?

グループホームや、支援を受けての一人暮らしなど、選択肢が増えたとしても内容に課題は多い。増えればいいというものではないはず。
本当の意味での、その人らしい生活ができているのでしょうか。

ケアマネージメントとは。
もともと、介護が必要な高齢者が増えこれ以上施設を増やすのではなく、在宅で生活できるように、地域の福祉サービスと高齢者のニーズをつなげるために必要になったものです。

施設から出て暮らすために、地域のサービスと結びつける役目です。
マネージメントする側と受ける側との関係性が重要です。
施設の職員の方がケアマネージメントをやるのなら、地域に出すためにやってほしいと思う。

そのためには、地域のサービスを増やしていかなくてはならない。

施設のあり方には、職員の方、親御さんからいろいろな意見がありますが、知的障害をもつ大人の方3人に1人が入所していると言われる現在、その3分の1の人たちのために(残りの3分の2の人たちが地域にいるわけですが)、福祉のお金の7割が使われているという事実を変えていかなければ何も変わっていかない。


今まで、家族が介護することが大前提になっていて、地域福祉は楽をしてきてしまった。その分施設にお金を使ってきた。家族を介護から解放することから始めなければならない。

お金の流れ、施設のあり方を変えていかなければならない。そのために必要なのがケアマネージメントです。

ケアマネージメントをきちんと地域サービスの中に位置付けていく必要があります。お金の流れを変えていく部分で。

また、自立するために訓練をし、規律正しく、例えば掃除・洗濯・炊事等ができなくては、自立生活をする上で失格だとしたら、私たちの中でどれだけ失格者がいるでしょうか。

できるようにすることが先ではなく、実際に地域に出て、必要を感じてできるようになることもあり、できなければ支援をしてもらいながら生活していけば良いのではないか。

知的障害をもつ人にとってのケアマネージメントとは。また、どんな支援者が本人にとって理想なのでしょうか。

「自分たちの意見をきちんと聞いてくれる人」「自分が選んだ人」

本人たちを信じて意見を聞けば間違いはないはずです。
本人のもっている力を十分に引き出すこと(エンパワーメント)が重要だと思う。

時間はかかる。支援者の忍耐が必要。それが専門性ではないでしょうか?

≪トークセッション:知的障害をもつ方佐藤さんと阿部さん、司会は三田氏≫午後のトークセッションで私が印象に残ったことは、「支援者に求めることは・・・必要なときだけ支援して欲しい。それだけですね。」ということでした。

どんなときに支援が必要かという質問には、本人部会での話し合いが行き詰まった時。補助金の申請をする時。初めて電車の切符を買うとき。漢字にカナが欲しい。とおっしゃっていました。(言われなければ、支援は必要ないだろうと感じてしまうような方たちなのです。とても重要な場面。)

知的障害をもつ人と対等に関わるということは難しいです。どこかで見下してしまうのだと思います。自分が嫌になりますが・・・。

本当の意味の、本人主体、人が選択するということを、また、その人にとってどんな支援が必要なのか、時間をかけて(三田さんがおっしゃる「忍耐=専門性」ですね)考えていかなければならないと思いました。

以上です。


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