地域生活を考えよーかい

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憂い(こんな字でしたっけ?)と備え・尼崎

上限問題時にほったらかしていた分です・・・

作成日:2003年2月6日
掲載日:2003年2月6日
作成者:李国本修慈


 ということで、少し危惧しているところを書きとめておきたいのですが、なんとも無頓着である障害者(児)福祉・尼崎についてです。

 年始から大変な状況で大問題になった「ホームヘルプの上限問題」なんですが、その国庫補助の基準が示されたのはご存知の通りだと思います。その基準の概要は以下に示す通りです。

  1. 脳性マヒなどの全身性障害者は月125時間
  2. 視覚障害者やガイドヘルパーを使う知的障害者などは月50時間
  3. 一般の身体・知的障害者は月25時間とする

 で、その考え方は【現在の平均的な利用時間の約1・5倍の水準を国庫補助の基準とし、補助金が減る市町村は経過措置として「調整交付金」(03年度で総額約28億円)を新設し現行のサービス時間を確保する方針】であったと思います。

 この経過措置というのはいわゆる激変緩和策というやつで、東京や大阪等、全身性障害者といわれる方々の現行サービス量が減らないようにとの措置ですね。

 そして、予算(補助基準)は現行の利用者の月平均の利用量の1.5倍で算出されているということの様ですが・・・。

 して、こっからが危惧部分で、尼崎市を例にとると全身性障害者といわれる方で制度利用(介護人派遣制度であるが、ホームヘルプのみを使っている全身性障害者といわれる方はいない?と思われることからこの数字とします)されている方が32人だそうですね。

 ですから×125時間分(概ね)で3900時間分(月額)は確保OK。

 で、視覚障害者といわれる方等(この等に知的障害者といわれる方々は含まれますね)の数の内、知的障害者といわれる方々の利用者数は87名ということ。

 ですから×50時間分(概ね)で4350時間分(月額)も確保OK。視覚障害者といわれる方の利用者数(ガイヘル)はよくわかってないのですが、その数の×50時間も補助額には入る。

 して、あと一般の障害者といわれる方(身体障害者ガイドヘルパーやホームヘルプ利用の方)の数もわかってないのですが、その方の数(ホームヘルプも全身性の方がその多くを利用している?とすると、数は少ない?、ガイド利用の方の数となる?)×25時間分(月額)も補助額として入るということですね。

 で、問題は上記の総額内で、来年度(4月)からの支援費制度移行後の居宅介護(ホームヘルプ)部分が補えれるのか?ということ。

 おそらく多くの市町村では国の示した基準補助額内で今年度はコト足りる?ように思うのですが、尼崎市に関しては必ずしもそうは言えないといえるような気がします。

 と言うのは、現在利用されている緊急一時保護家庭制度の利用量の数値が係わってきます。

 例えば僕なんぞが障害児といわれる学齢期の方々のケアプラン(的なもの)を作成すると、やっぱり児童居宅介護(学齢期の方及び就学前の方々も含む)の量は半端ではないものとなるのです。

 具体的には、長期休暇なんぞを思い浮かべるとわかり易いと思うのですが、通常(夏休み等以外の日)学校へ行っている時間なんぞを、きっちり活動しよう!!なんて思うと、1日5時間(10時〜15時として)ヘルパーつけちゃうと、週5日で25時間、月に4週でかけても100時間となっちやう。しかも週末に祝日の支援量はこの数に含まれてはいないのです。

 全ての方にこの数値のガイヘル数がいるということではないにしても、これっくらい必要な方はわんさかいますね・・・、これ=緊急一時保護家庭制度利用量と考えていいかと思います。

 緊急一時保護家庭制度の数値(日帰り)についてはご存知の通り(ごっつぁんです・・・、でなくって、ごっついです)です。
 で、仮に(けっこう現実的かもしれません)この緊急一時保護家庭の日帰り分の数値を全て居宅介護にスライドさせるとどうなるでしょうか?

 知っての通りこれまでに児童に関してはガイドヘルプもなかった訳ですから、実績として児童移動介護は0です。しかも障害児ホームヘルプなんてのも平成12年の七夕通知後も全くといっていいほど活性化していませんので、これも限りなく実績0に近い・・・。

 ようするに経過措置(激変緩和措置のこと・調整交付金28億円)というところ(現状維持という意味)にも、この本来児童居宅介護であるべき緊急一時保護制度の日帰り利用は当てはまらない(現行の居宅介護の実績にはあてはまらない)=経過措置(激変緩和措置)が適応とならないということが言えると思います。

 ですから、けっこう大変です(かなり大変かも??)。おそらく多くの方は現状利用されている日帰り介護分の緊急一時利用も居宅介護として申請していると思いますから・・・。

 しかし、繰り返しですが、これは現行利用でないので補助基準としては算定されない。
 と、いうことで大変かもしれません。

 支給決定量が決まった時点で補助基準額内であれば問題ないのですが、新規の児童ガイヘル=児童移動介護の新規利用分と合わせるとごっつい量となるのは明白・・・、既にプランニングしている方には想像はつく・・・。

 して、憂い懸念する事として考えられるのが、今後、その支給量が決定した時、もしくは決定しようとする時(正に今です)に、市が利用者に対して申請量よりも大幅な(もちろん小幅もある)利用量抑制に動こうとする事です。

 で、その矛先はおおよそたぶん、知的障害者及び児童(特に事務上の実績のなかったこちら)という方に向かうと思われます。

 この理由に付いてはいいですね。
 で、この不足分(お金ですね)を市で賄えってなのもかなり無理があったりします。。

 しかも緊急一時保護家庭制度としてやっていけというのも市の負担は増大です。

 もちろん国に対しての経過措置の位置付けとしての訴え(これにも無理がある?)に県への協力要請(緊急一時保護の負担金割合などについては)なんかも必要かもしれません。

 尼崎市ではこれまで支給に関してのガイドライン等(ニーズ調査とそれに照らした予算計画に基盤整備等)も作成しておらず、利用者への支給決定や支給量削減、保留決定についての説明理由なども困難に混乱を呈していくように思えてなりません。

 そこでひとつ、憂いに対して備え在れば・・・と思い、以下です。

 もうすでにほとんどの方は調査・申請は終了したかと思います。

 で、「やっぱり、もちょっと必要やった」と思う方はも一度申請しましょう。決定をうけるまででしたら「やっぱりやり直し」もOKであると考えます。

 その上で、「やりなおしがダメ!」とか、支給決定を受けた際に「こりゃぜんぜん申請とは違うし、おかしいでぇー」と思った際には、「あ〜ぁ」と落胆したり、泣き寝入りしたりせずに、「異議申立」を行いましょう。

 と言っても難しいですね。近いうちにこの「異議申立やりかたマニュアル」は作りたいと思います。

 カタチとしては【行政不服審査法の(処分についての異議申立て)第6条 行政庁の処分についての異議申立ては、次の場合にすることができる。ただし、第1号又は第2号の場合において、当該処分について審査請求をすることができるときは、法律に特別の定めがある場合を除くほか、することができない。1.処分庁に上級行政庁がないとき。】によって「異議申立」を行います。

 その際に、支給決定を受けた理由を示した書面を【(再審査請求)第8条 次の場合には、処分についての審査請求の裁決に不服がある者は、再審査請求をすることができる】によって要求しましょう。この時にやっぱりきっちりとしたマネジメントができていればいいのですが・・・です。

 で、この際には、この「異議申立て(不服申立て)」について、「書面でその方法も教えてちょんまげ!」と言いましょう【(審査庁等の教示)第57条 行政庁は、審査請求若しくは異議申立て又は他の法令に基づく不服申立て(以下この条において単に「不服申立て」という。)をすることができる処分を書面でする場合には、処分の相手方に対し、当該処分につき不服申立てをすることができる旨並びに不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間を教示しなければならない】。

 以上のことが、いわゆる不服申立てというもので、役所に対して再審要求する異議申立というものです。
 で、この申立があると行政は却下するか、それ(不服申立)を認めその処分(支給決定のことです)を変更するかの応えを示さなければなりません。このあたりは以前にもお話ししたところかと思います。

 で、こんなことしても却下されればおしまいってなこととお考えになるかも知れませんが、ここでの意味はそれをすることによって、ニーズをきっちり行政に考えさせるということ、みなさんの申請が、「何故削減や不支給となるかの説明」を行政がきっちりと明確に示す必要性を認識し身に付け、その理由(最大の理由は財政と基盤整備であることは明白)によっては行政に財政確保やサービス提供基盤の整備(予算計画すなわち障害者計画)を促すひとつのきっかけになるかと考えます。

 そんなんで、このことを一応「備え」としてお手元にお持ち頂きますよう、多くの方にお知らせ願います。
 やっぱりこれまでの受けるサービスから対等の・・・ということに変わる訳ですから、ここんとこらへんもしっかり押さえておきたいところです。特におかーちゃんみなさんへ、いやいやおとーちゃんにもぜひです。

 サービス基盤整備については、またいろいろい考えていきたいと思います。
 なかなか手付かずのところの相談事業〔支援費制度施行に係わる事務の円滑化などの支援〕の国予算なんかからも、今後の市の体制構築を考えていかなければいけないと思います。ということで、とりあえずは以上です。


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