地域生活を考えよーかい

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支援費制度セミナーへの提言

作成日:2003年10月30日
掲載日:2003年11月2日
作成者:久保 雅子


 私は伊丹市で居宅介護事業者の非常勤スタッフとしてサービスを提供させていただいていますが、まず伊丹市は人口が西宮市の約1/2ということもあり、西宮市と比べると小規模な市であるといえるかと思えます。その分、行政みなさんからも障害児・者といわれる方の顔が見えているというイメージはあります。

 しぇあーどでは主に重複障害児・者といわれる方々への支援(居宅介護)が中心となっています。

 伊丹市では昨年までホームヘルプがあまり活性化されておらず(西宮市等と比較)、この部分でも西宮市との制度開始時の違いはあったように思います。

 その為か、多くの重複障害児・者といわれる方々(主に伊丹デイ・サービスに通所、又は伊丹養護学校に在籍の方々)は、支援費制度自体も不可解なまま、ホームヘルプの使い方なども、いまひとつ不明瞭なまま、この四月の制度開始時期を迎えたような感があります。

 その原因としては、西宮市などにみられる障害者といわれる方々に対しての地域生活支援活動を精力的に行う事業所・団体が少なかったからと言えるのとともに、いわゆる情報提供の不足・不備がそのような状況になったのではないかという思いもあります。

 そんな中、デイ・サービス利用者や、これまでにホームヘルプを利用したこともない学齢期(伊丹養護学校在籍者の方々)の方々のプラン作成を行い、支援費変更申請及び初めての支援費申請(申請すら行っていなかった方がかなりの数いらっしゃいました→この現象もしっかりと考察すべき点だと思います)を行ったところ、それぞれの方が支援費量の増加、もしくは支援費支給決定を受けられるという結果となったのですが、やはりサービス基盤の整備不足(と言えるかと思います)から、私どもの事業所への一極集中という現象がおこってきているように思います。9月時点で1213時間/月のヘルパー派遣となっています。

 事業所としてこの数値は喜ぶべきものなのかとの思いはあれど、「選択の余地がない」実情を示しているものであると痛感しています。

 この数値などは、おおよそ市としても考えてもいなかった数値で(あると思います)、今年の実績から次年度への予算への繋がり、その財源確保はどうなるのか?、また今後の支援費制度自体の動き(介護保険との統合論や財源確保の手段など)の情報・予測なども伺いながら、我々のできること=市政・市民等への提言などを考えていきたいと思っています。

 それと、私どもは、支援費制度における指定事業者とともに「訪問看護ステーション」を立ち上げてきたきた訳なんですが、その理由のひとつは、いわゆる「医療的ケア」が必要な方にとっては「制度は始まれど、ややもするとこれまで以上に利用できない」というような事態が起こることを考えたということと、加齢などに伴う二次障害など(径管栄養、吸引、呼吸器利用などなど)に対応できるヘルパーの育成が急務ではないかとの思いからなのですが、福祉行政のみならず医療や居宅外(学校など、例えば教育機関)行政との連携なども推し進めていかなければならないと感じているのですが、西宮市では具体的にどのような手立て(実際に気管切開されている方へのヘルパー派遣=入浴介助や外出同行は困難ですね)を持って「医療的ケア」の必要な方々への生活支援を進めていこうとしていらっしゃるのかもお教えいただきたいと思います。

 また、西宮独自の支給決定ガイドラインについてもその意義は理解しますし、上限撤廃ということも耳にしましたが、なかなか一律に図りえない(と思う)障害者(児)ホームヘルプを今後、他のサービス(市町村独自の)も含めてどのように進めていこうということもお聞かせいただきたく思います。

 なにより、その財源はどこからどのようにして捻出されてくるのかという現状及び今後の課題をお聞かせいただきたいところです。

 また、障害児といわれるこどもをもつ親としては、「医療的ケア」など、慣れる(利用者・ヘルパー共に)のに時間がかかることに対してどのような対策があるのかも知りえたいと考えています。


発言はここまで、で以下、解説と質問された時などに対しての予備資料。


しぇあーどは有限会社、知ってるわね・・・なんで有限か・・・、単に間に合わなかっただけ→指定事業所取るのに(法人格が必要なため)。

伊丹市のホームヘルプ・・・これまで(2003年3月末まで)は、障害者センター(アイ愛センター=社会福祉協議会)が派遣事業を行っていた(身体・知的・視力ガイヘル)。

しぇあーどへの一極集中・・・知的障害児・者の居宅介護事業所である「ヘルプゆう(社会福祉法人杉の子)」も許容量いっぱいで新規利用契約ができない状況→などから、介護保険事業所の支援費制度事業への参入はあるが、利用頻度はあがらない・・・今後のヘルパー育成とともに、相互利用への促しが必要。 市の財源は見えてこない。おおよそ予算からはおおきく超えている実情であると思う。

医療的ケアの必要な利用者・・・しぇあーどでは気管切開されている方が四名、径管栄養(いろう増設含む)利用者が三名、呼吸器及び酸素を利用される方が数名、吸引を要する方は多数いらっしゃる。

しぇあーどでは、訪問看護ステーションの看護師と支援費ヘルパーで居宅に入り、スキル及び知識を共有できるようにと考えている・・・。

「慣れる(例えば○○くんなど)」ためには当面母親の同伴が必要か?。スタッフの育成手段は如何に?


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