地域生活を考えよーかい

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緊急一時保護者制度について

伊丹市における緊急一時保護者制度指定保護者説明会においての意見書です。

掲載日:2004年4月27日
分責:NPO法人地域生活を考えよーかい
李 国本 修慈

 昨年12月に緊急一時保護者制度の指定保護者となって、利用者さんの受け入れをさせていただいてきたのですが、預かり・宿泊共に、事前の予想の通り、利用数は増加しています。

 利用増の理由として、ひとつは潜在的な需要(預かり・宿泊共に)は間違いなくあっということ。

 二つ目として、支援費による「短期入所」利用を優先できない(平成16年1月9日付け案内では「支援費による短期入所を優先するとともに」ということであったのですが)状況があると考えます(「何故短期入所が利用しにくいのか?」については、別機会に検討していただきたいと思います)。

 また、当人の活動等支援である居宅支援費(移動介護)の代替としての利用(居宅支援費が不足してしまったので、緊急一時を利用する・・・等)が、利用数を増加させていると考えます。

 緊急一時制度についてのみの問題としては、利用者が、未だ、その利用方法(事前の届出、または事後報告⇒事後報告も未完であるケースが年度末に数例ありました)や、利用内容を周知していない(「あくまでも緊急時」であることや、「原則7日間」ということ=上記案内による)こと等で、今回の説明会により円滑な利用方法等が提案されるものであると思います。

 今回、意見として述べさせていただきたいことは、阪神間の多く(一部か)の「緊急一時保護者制度」の保護先が、地域生活支援事業(この言葉の提議は、法制度のみのサービス提供以外にも、必要なニーズに対してできる限りのサービスを提供している事業としています)及び、居宅介護支援事業を運営していることなどから、「緊急一時保護者制度」が、総体的な地域生活支援事業の内のサービスのひとつであるということを認識した上で、この制度の在り方、及び支援費制度、更にその他のサービス等について考察していくことが必要であると考えます。

 例えば、上記に示した「短期入所(支援費制度による)利用を優先」できないという点では、これまで(地域共生スペースぷりぱで)の経験からも、その利用がしずらい(場所=距離の問題、慣れ=障害児・者の特異性の問題など)ということ等から、「近く(その距離という点は大きな意味がある)にある」ということと、「日頃利用している事業者」であることが重要であるということがわかるかと思います。

 そういった視点(多様なサービスを重ねて事業・活動を展開している事業者としての)から見ると、その(サービス)「質」を考えた際には、より介護(介助)度の高い(介護を要す)方へのサービス提供は、その単価設定により、小規模な事業者にとっては、その運営が困難になる(介護度の高い利用者さんへのケアには相応の対応=マンパワーが必要であるということ)という事態が発生しています。

 その理由として、適正なケアマネジメントができていないという事等から、居宅介護と緊急一時の区別=プランによる明確な使い分けができていないという事があると思われます(と言っても、重心と言われる方々にとって、緊急一時保護及び支援費制度による短期入所単価は、事業者による利用受け入れの積極性を低下させるものとなっているようにも思います)。

 そして、その「質」や「在り方」を考えた際に、本人支援ということであれば、支援費支給量(そもそもマネジメントにこそ)に問題があるのではないか?と考えるのですが、実情として、伊丹市で「障害者ケアマネジメント」の手法が充分に活用されているとは言えず、また、伊丹市の財政事情や国の国庫補助金不足などの懸念からも、社会資源を活用、及び創出する手立てとして、上記「障害者ケアマネジメント」の手法を活かした、個人支援計画作成会議等を当事者の方を含めたみなさんで検討していけるシステム作りを早急に望むところです。

 具体的には、「放課後活動」等の事業化や、児童デイ・サービスの創設、他課との連携を持っての、障害児の学童保育(児童くらぶ)の利用推進等が考えられると思います。

 緊急一時保護者制度は、はっきり言って採算のとれる事業ではありません。

 しかし、これまで目の前にあるニーズに応えるべく対応してきた保護者(事業者)と行政とで、利用者主体の枠組み作りが伊丹市で進むことを期待します。



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