地域生活を考えよーかい

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○○君について

〜ちょいと前、筋ジスといわれる疾患により、呼吸器が必要になっちゃって、サービスが受けられなくなりそうな事例(嫌な言いかただ)について、とあるコーディネイターさんに宛てた「呼吸器なんて、みんな使えるよ」メッセージ書です〜
・・・思い起こせば、昨年の今頃もこんな状況がありました・・・

作成日:2004年4月19日
掲載日:2004年6月14日
文責:NPO法人地域生活を考えよーかい
李国本修慈


○○君、基本的に(以前から)僕らのように大きな呼吸(深呼吸など)ができない状態と考えていただければいいと思います。

僕らが息を吸う(吐く、も含めて)時には、主として横隔膜と肋間筋を利用して、胸郭(肋骨で囲まれた部分=胸ですね)を膨らませたり縮めたりしている訳で、それらの筋肉(膨らませるのを横隔膜、外肋間筋、あわせて吸気筋などという、縮めるのを内肋間筋などといい、それを呼気筋とかいう)を呼吸筋というのですが、その力(呼吸筋の筋力)が低下する(○○くんの状況、以前から少しずつ)と、上記のような運動(胸郭を動かす)が充分にできず、通常必要であるといわれる酸素の摂取や、体内に残っている炭酸ガスの排出ができにくくなるという状況であると考えていただければいいかと思います。

こういった状況を「換気不全(U型呼吸不全とかもいいます)」などと言って、いろんな自覚症状が出たり(食欲の低下、しんどい、苦しい、動悸、頭痛等)、酸素が不足していることなどから、体内の様々なモノ・コト(細胞や臓器の機能⇒例えば代謝障害等に)に支障をきたすことになります。文献などによると、『PaCO2が60Torrを超えた時点で人工呼吸器による管理を実施しない場合,デュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者さんでは半数の方が半年以内に死の転帰をとることが経験的にわかっています.患者さんの生命を維持するためにどうしても人工呼吸療法が必要なのです』などとあります。

そういったことで、今回、これまでの経過(換気不足による呼吸器疾患の改善の低下)や、今後のこと(間違いなく低下傾向をたどっていく喚起力)に対して、医師としては、今が、呼吸器利用のタイミングであると判断したことかと思います。

考え方としては、絶対に呼吸器が必要という状態というよりも、「予防的」=できる限り換気量を増やし、上記症状の出現やや様々な疾患に罹患することを防ぐということが、その目的であると思っていただければと思います。

ですので、重篤な疾患状態としての呼吸器利用ではなくって、彼の通常(日常)の呼吸状態を手助け(介助)するという意味の利用だと考えればと思います。

鼻マスクと呼吸器について、鼻マスクはそのまんま、鼻っ柱を覆い、お鼻を密閉状態にして、機械からやってくる空気を管を通して、そのマスクから鼻を通って気道⇒肺へと空気を送るというモノです。

呼吸器は、そこで、酸素や治療薬などを作って送り込むとかいうシロモノではなく、単に「エアー(空気ですね、ルームエアー=通常の空気という意味です…などと言う)」を管⇒マスク⇒鼻⇒気道へと送るためのポンプであると考えていただければと思います。

ですので、なかなか呼吸器というだけで、なにやら敬遠されがちなんですが、マスクの着脱(漏れのないように)と、機械のスイッチが入れれればOKかと思います。もちろん、機械のしくみや、マスクを含めた利用方法や、その適応理由などは熟知していく必要はありますが。

そんなんで、なんちゅいますか、そんなところです。うーん、わかりにくい説明です。



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