地域生活を考えよーかい

地域生活を考えよーかい

10月以降の地域生活支援事業における
「タイムケア事業」等について

タイムケア事業会議に合わせて、考察すべき10月以降の「地域生活支援事業」についてです 。

作成日:2006年 4月 1日(土)
掲載日:2006年 4月14日(金)
作成:地域生活を考えよーかい
中根 明彦

 4月13日にタイムケア事業についての会議にあわせて、10月以降の「タイムケア事業」について、それを考える際に、「地域生活支援事業」における国庫補助額と市の財源を合わせての事業計画及び予算案が必要となる。

 まず、9月末日までの、それぞれの事業については、ほぼ現行通りということであるが、10月以降については、現状での個別給付対象の「外出介護」や「デイサービス」(児童デイ及び、生活介護等に移行するものを除く)等も、「地域生活支援事業」に組みこまれ、予算立て、及び、「タイムケア事業」などの報酬額等も利用者負担(地域生活支援事業においては、地方自治法に基づき独自の利用者負担を求める事ができる)を含め、「地域生活支援事業」予算内での組み立てが必要となる。

 更には、県事業である「療育等支援事業」の財源も、10月あるいは、07年4月以降は、「地域生活支援事業」の枠に入っていくのかも確認が必要である。

 地域生活支援事業について見てみる(3.1主観課長会議:資料6-1に依る)と、国庫補助額が、下半期(10月〜07年3月)分として、200億円。

 その配分の枠組み(案)として、市町村の実施する事業と都道府県の実施する事業の配分比率が9:1(単純に180億:20億?)となっており、事業実績割分と人口割分の比率が8:2(144億:36億?)となっている。

 上記から、伊丹市において考えると国庫補助額が144億×事業実績分(地域生活支援事業への移行事業等の全国比率分=【?a】)+36億×人口分(伊丹市人口19万/国人口1億2,765万=535万)=【?b】となる(?)。

 【?a】及び【?b】については、詳細データがないことと、参考資料(3.1主管課長会議資料)においても、具体的な配分の手法については、引き続きの検討とされていることから、未確定ではあるが、ざっくり計算で、2700万(※1国庫補助額180億×0.0015)〜3600万(同180億×0.002)といったところかとイメージできる(?)。

 とすると、その額を1/2の事業費と考え、伊丹市の下半期予算を7200万で考えてみると、その額の中に、「相談支援」「コミュニケーション支援」「日常生活用具」「移動支援」「地域活動センター」「タイムケア事業」等の事業費総額が納まるのか?といった考察が必要である。

 上記を単純に考えると、7200万円(下半期分。年額ベースでは1億4,600万)では到底収まらない(?)ようにも思えるのだが、そのあたりの詳細数値(上記事業等の実績数及び額)が必要である。

 とすると、国庫補助額(分配率)のup(は見込めないか?→伊丹市のサービス利用水準=事業実績の全国比が不明である)、及び、伊丹市、兵庫県の予算措置が1800万円(下半期分で)以上で行われるのかも確認が必要。

 よって、上記考察を行うにも、上記事業等の実績からの利用見込み数(額)が必要で、更には、「移動支援事業」へのサービス移行者へのサービス水準の低下が起こらない様な、かつ、生活支援事業者(地域生活支援事業委託事業者等)が健全な事業運営が行えるようなサービス報酬額の設定が必要である。

 その際には、伊丹市が国庫補助額(1/2額)を上回る予算措置が行えるのかも重要であると考えるのだが、上記にも記載した「利用者負担」については、4月以降の個別給付費の定率(1割)負担とも合わせた負担増となること(しかし、伊丹市は06年度の定率負担軽減措置として4,000万円以上をかけている)等から、充分な議論と利用者等への説明が必要になると考えられる。

 タイムケア事業に関しては、前回の会議でもあがっていた運営内容における問題点(障害福祉課提出資料:17年度障害児タイムケア事業実施結果及び18年度の取り組み課題検討項目に依る等)及び、移動支援との関連性を含め、その在り方(成人者と児童のサービス選択の在り方や、現行の伊丹方式=月12時間の個別給付費を合わせた事業提供はできない?こと等から)も充分に考察が必要で、更に、国の示す「突発的なニーズに臨機応変に対応が可能」であるや、「個別給付では対応できない複数の利用者への対応が可能」ということ等を包括したサービス提供を可能とするには、委託事業者の選択(及び拡大)や、報酬額については、広範かつ入念な考察が必要であり、検討に要する時間を充分に確保していく事が望まれる。

 特に、現行の「外出介護」による「サービス提供水準を落とさない」為には、タイムケア事業における「ヘルプゆう」及び「しぇあーど」のサービス提供実績の評価を充分に行う必要がある。

 いずれにしても、今後の障害福祉施策における地域生活支援について、現状のサービス水準に留まらない、前向きな姿勢が示せるよう、利用者の意見を尊重した上で、行政及び事業者等で検討していき、障害者計画への反映に活かしていくべきかと考える。

※ 1 伊丹市の国人口に対する割合は、0.001488444%で、0.0015%として考えてみた。
※ 別紙に、「尼崎市における支援費制度等による平成16年度の実績(額)と地域生活支援事業への移行サービスに必要額」を作成してみました。


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