地域生活を考えよーかい

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西宮自立支援セミナー報告

8月25日に行われました「西宮市自立支援制度セミナー」の報告というよりは、重心などといわれる方々への支援の在り方への危惧論です 。

作成日:2006年8月26日(土)
掲載日:2006年8月27日(日)
分責:地域生活を考えよーかい
李国本修慈

 昨夜、西宮市で行われましたセミナーの報告、簡単にですが、長いです。。

 西宮市、さすがに(といっても他市との比較ですが)早い事務作業で、審査が必要な方826名のうち510人の審査会判定が済んでいるということでした。
 ただ、予算執行やシステムの導入(というか変更)等により、支給決定は9月半ばになるということを係長さんがおっしゃってました→ふつーなら、そんなアホな〜なんですが、そんな言葉もでないほどの遅れ振りです。。
 一昨日の全国会議資料の内容も際立つ目新しいものもなく、出るはずのものもでないといった状況で、この先10月の大混乱は避けて通れないということになるようです。
 西宮で特筆すべき点は「自立支援協議会」を現行のシステムなどを発展させながら継続していくカタチで作って行こうといったところ、これまでに構築してきたガイドラインを活かして行こうといったところであるかと思います。

 只、懸念しています「重度訪問介護」の在り方なんですが、「重度訪問」と「身体介護」の併給は「無い」とパネラーみなさんも断言していましたが、実はそうではなくって、これまで(日常生活支援)にも(併給は)ありますし、今回の資料Q&Aでもその点に触れています。

 問題は、「外出支援(移動=活動支援)」をどのサービスに置き換えて行くのか?ということ。
ここはかなり以前から指摘していますが、なかかな現実のイメージがつかめずのようです。

 「重度訪問」はそもそも「日常生活支援」=長時間を想定したサービスです。

 只、私らなどが支援させていただいています「重心」などといわれるみなさんは、多くの方が家人等の介護を(主な支援として)受けて暮らしていまして、更に、そういった状況の中、活動機会を創っていっている訳です。

 よーするに常時「長時間のサービス」ばかりが必要ではなく、ピンポイントのサービス=「入浴介助」などは最たるもの・・・が必要で、そういった「ピンポイントの身体介護」と、活動支援である「長時間の重度訪問介護」の両方が必要だと思うのです(ここいらは間違いなくと言えると思うのですが、そういった例が少ないのか、重心=自宅療養=身体介護のみ・・・といった発想なのかもしれません・・・)。

 で、例えば、自宅で家族と暮らすAさんがいるとします。

 西宮市や尼崎市などは週五日の日中活動を保障されていない方も少なくないです。
そういった方(Aさんとすると)には、日中活動としての「長時間支援=重度訪問介護」が必要なんですが、日々の暮らしにおける「ピンポイントサービス」も間違いなく必要で、Aさんは週に3回の1時間二人介護の入浴介助のサービスも受けています。

 ここからが問題で、この方のピンポイントサービスを「重度訪問介護」で行うとすればどうなるでしょうか?。

 セミナーの中でも富田さんが「極端な例として」と前置きの上で話してました「30分を6回分散訪問支援して3時間の重度訪問介護の報酬でやらすのか?」ということが、まさに極端ではなくあるのです→この場合、6回も訪問してると日が暮れます=1日仕事です。で、報酬単価は「552単位=5520円(著しく重度の者で・・・重度訪問介護では程度区分等で報酬額が違います)」です。

 仮に、10月以降、Aさん宅へ1時間の入浴介助に入ったとしての報酬は著しく重度の者で「184単位=1840円」です。
身体介護で入ると「400単位=4000円」です。
倍以上の開きがあります。

 本来居宅介護などは大抵1〜2時間の訪問で、極普通にがんばったところで1日の訪問件数は3〜4件です。
「重度訪問」で、それをやっちゃう(がんばって4件入って736単位=7360円です)と、とんでもないことになり、これまで毎年の報酬単加減を呑みながら、なんとか持ちこたえてきたNPO等の事業者はいよいよギブアップにもなりかねません。

 もちろん地域生活支援事業における「移動支援」と「身体介護」でプランを組めれば言うことはなし・・・なのかも知れませんが、「移動支援」の報酬が「介護給付」を上回る(あるいは同等額)ことは考えにくい上に、「重度訪問介護対象者は介護給付で」というのが国の意向でもありますし、当然ながら市も、それでなくても「無い財源の地域生活支援事業」よりも「国庫負担の介護給付費」でとなります。

 ほんとにピンポイントの居宅介護も「重度訪問」で括ってしまうのでしょうか?。大きな問題であると思います。

 再度、西宮市やその他の自治体の状況も、というか、こういった問題を提議したいと思います。

 西宮市は特にガイドラインを如何に実態に即したカタチで・・・とやってきたので、そこらへん→これまでは「身体」と「外出」をきっちり切り分けて重心などといわれる方々を支援してきたのですから・・・をきっちり示していただきたいと思っているのですが、、。

 しかし、なかなかマニアックな部分なのかも知れませんが、とっても大事なところだと思います。
このお話しに該当する方も多くはないのでしょうが・・・。

 このメールは利用者であるみなさんもご覧になっているので、なんだか不安ばかりをあおるようで申し訳ないです。

 仮に、単価額が低くなろうと支援の手を引くことはないのですが、個人としてはそんな気持ちを保とうが、法人としては持ちこたえられないといった状況になるやもしれません。

 もう少しいろいろ考え、できることをと思います。
長々申し訳ありませんでした。

本文終了


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