地域生活を考えよーかい

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重症心身障害といわれる方々の支援プランを考える際の重度訪問介護の在り方について

10月からのサービス体系変更の中に見えるとってもおかしなコト(だと思う)です。
ほとんど誰も気付かないのか、大切なことだと思います。

作成日:2006年9月15日(金)
掲載日:2006年9月15日(金)
分責:地域生活を考えよーかい
李国本修慈

 今回、重度訪問介護についての経過措置がとられたことについては大変歓迎すべきことであると考えますが、10月からのサービス体系変更については大きな設計ミスがあると感じています。

 今回の経過措置や、重度訪問介護における外出時加算が新たに設けられたのも、現状のサービス水準の維持、及び外出介護に代わるサービスとしての意味があるものだと理解しています。

 只、これまで(10月)に、「身体介護」と「外出介護」で支援プランが組まれてきた方で、重症心身障害といわれる方にとっては、上記ふたつのサービスを「重度訪問介護」で括るということに大きな問題が生じます。

 概ね一日に3時間以上のサービスによる支援プランの方はともかく、重症心身障害といわれる方々は、その暮らしの支援の多くを家人が行っているということがあり、短時間の支援(1時間の身体介護=概ね入浴介助などです)のみが必要で有る日が少なくありません。

 もちろん、長時間の外出介護によって、活動を行ったりもしています。

 ようするに、現行の福祉サービスの「身体介護」及び「外出介護」を「重度訪問介護」にひと括り(重度訪問介護のみの支給決定)にすると、「短時間の身体介護」(多くは自宅への入浴介助等)が、著しく提供困難になります。

 重度訪問介護の1時間あたりの報酬単価は160単位(程度区分6の方で172単位)ですから。

 これでは10月以降の身体介護単価である400単位とあまりにもかけ離れており、サービス提供が困難=利用ができない事態になると考えられます。

 重症心身障害といわれる方々の生活支援を考える際に、わざわざ今回の体系変更において、「基本的に身体介護は3時間まで、重度訪問介護は3時間以上」という設定をしながら、それが併給できない(8/24会議資料:参考資料@障害者自立支援法Q&Aの重度訪問介護のEに記載)とすること、すなわち現行の「長時間に渡る活動支援(外出介護)」と「居宅におけるピンポイントの支援(身体介護)」を「重度訪問介護」で括ってしまうのは、どう考えても不可解かつ大きな問題です。

 また、現行の日常生活支援と同様の扱いという表現にも強い違和感を感じます。

 おそらく、この問題の対象となる方は多くは無いのでしようが、とっても大切なことかと思います。

 多くの方にこんな問題を知っていただきたいと思います。

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