地域生活を考えよーかい

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伊丹市障害福祉計画(素案)に関してのパブリックコメント

伊丹市障害福祉計画(素案)に関してのパブリックコメントです。

掲載日:2007年1月30日(火)
分責:地域生活を考えよーかい
李国本修慈

 

 今回公表されました「伊丹市障害福祉計画」について、伊丹市で重症心身障害といわれる方々への支援活動を行ってきた立場(視点)から、意見させていただきます。
 全体的な感想として、国の示す基本方針に沿った計画素案ということで、「地域生活総合支援施設」を核とした「地域生活への移行システム」が計画通り実行されれば素晴らしいことであると思います。
 只、「重症心身障害」といわれる方々のそれ=「地域移行」については、素案冒頭のイメージ図や、15〜16ページにおける<地域移行に向けた取り組み>や<伊丹市における地域生活移行プラン−平成23年度末>の図でも、イメージすることは困難のように思います。
 現在、伊丹市に住民票のある重症心身障害といわれる方々の「地域移行」も数値に盛り込むことは不可能でしょうか?。
 私どもが支援活動を伊丹市で始めた後(2003年以降)にも、施設入所を余儀なくされた方がいらっしゃいますし、今後も、少数ではあるでしょうが、「住み慣れた街での暮らし」を放棄せざるを得ないような状況が予想される方々もいらっしゃいます。
 地域移行という文言の中に、強く「施設入所」を余儀なしとされないような強い意思表示が必要であるかと思います。その点から、第T章・計画の考え方の2.計画の基本的理念では、もう少し(できればかなり)伊丹市独自の文言で、真の「地域移行」への取り組みへの意思(決意)表示をしていただきたいと思います。
 更に、第U章・重点的に取り組む施策、6ページ中段にある文言「障害があっても、住み慣れた地域の中であたりまえに安心して暮らせる地域生活の基盤整備を図ります」の出だし部分を「どんなに重い障害があっても(あるいは「どんなに障害の重い人でも」)」といった加筆と、同ページの冒頭の文言での地域の「福祉力」の掘り起こしと共に(あるいはそれ以上に)、重症心身障害(特に超重症心身障害・医療的ケアなど)といわれる方々にとって不足している「少数派の方に対する個別的支援力の向上」という意味合いの文言を加えていただきたいところです。
 重症心身障害といわれる方々に限らず、現法によるケアホーム(以下CHと記す)を居住の場としてはなかなか考えにくく、そういった点からは、第U章の4.第1期実施計画の2地域生活への移行システムの構築の事業項目@〜CにみられるCH設置促進事業は評価できるのですが、更に、昨年末の全国課長会議に示された資料12「その他」の2ページにおける2.個人単位でのホームヘルプサービスの利用による重症心身障害者といわれる方々のCH利用のイメージも示していただきたいと思います。
 そういったことも含めて「超重度」等といわれる方々もが、地域で暮らしていけるということが実感できる計画と意志表示を繰り返しお願いしたいと思います。
 重症心身障害といわれる方々は、加齢に伴う二次的な機能障害や、その進行により、日中活動もままならなくなるといった状況があり、伊丹市でも身体機能の変化に支援体制が追いつかず、第T章・計画の考え方の2.計画の基本的理念にある「希望するしょうがいのある人に日中活動系サービスを保障します」ができなかったというケースもありました。
 そのようなケースには「地域自立支援協議会」の果たす役割は大きなものであると考えるのですが、これまで、そういったケースに関しても、充分に機能してきたとはいえない現状の伊丹市の相談支援体制の中、(2)地域自立支援協議会は、形骸化する恐れがあるように思います。
 9ページ及び10ページにあるイメージ図にしても、組織を作るが為の組織のような感は拭えず、本当に必要な実践の場からの組織作りといったイメージを示していただければと思います。
 先に記したような重度化を呈した方や、超重症児・者などといわれる方々に対しての支援=例えば気管切開や人工呼吸器管理等の医療的ケア等においては、日中活動や居宅支援、学校教育場面等でも、多くの課題が山積しています。
 法の改正や細かな変更、財政事情等によって、障害福祉行政も大変であろうと思いますが、少数派である重症心身障害といわれる方々への「地域移行」(及び地域生活維持)への指向もしっかりと持てる計画であってほしいと思います。
 ワーキングチームでの議論の中では、重度障害者といわれる方の地域移行について、コストありきと感じる場面がありましたが、第T章の2.基本的理念に記されている「しょうがいのある人の自己決定と自己選択の尊重」をもっての福祉施策であるように願います。

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