地域生活を考えよーかい

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要望書
重度心身障害児の在宅ケアのサポートについて

札幌のあるお父さんによる要望書「重症心身障害児の在宅ケアサポートについて」です

掲載日:2010年 4月15日(木)

 私の子どもの場合、出産時低酸素虚血性脳症による脳性麻痺で、嚥下ができず経管栄養を行っています。4ヶ月までは3時間おきに経管栄養を行い、6ヶ月の今は4時間おきの栄養と夜間は7時間の間を空けています。
 栄養は1時間かけて入れなければ胃食道逆流により嘔吐し窒息してしまいますし、栄養中30分は唾液分泌が増え誤嚥し低酸素になるため吸引が必要です。
 また栄養後も30分は胃食道逆流による嘔吐があるため目が離せません。
 その他、ほぼ毎日おこりますが何時におこるかわからない吃逆(しゃっくり)やジストニー発作(脳性麻痺による全身緊張によるつっぱり)による胃食道逆流があり、時には1?2時間に渡って吃逆が続くため、ひどいときは2、3分おきに2・3時間吸引が必要です。持続吸引を行っても咽頭の奥に唾液が貯留するため吸引が必要です。
 経皮酸素モニターを使用しており、気道が唾液や逆流したミルクなどで閉塞した場合にはアラームがなりますが、アラームが鳴るまで気付かないでいると、本人にとっては苦しい時間が長くなりますし、既に誤嚥し肺の中に唾液が流入してしまい、その後数時間から数日後まで無気肺や誤嚥性肺炎による低酸素状態持続となり、酸素吸入が必要となってしまうため、ごろごろと喉から音がし、本人が苦しんでいるうちに吸引をしなければなりません。
 自分で動けないため、2時間おきの体位交換をしなければならず看護する家族の睡眠時間が確保できません。
 現在は入院中ですので父が仕事終わりに病院へ行き21・22時まで交代し、母の睡眠時間を確保します。子どもの状態が悪く子どもも母も眠れない状態が続く場合入院中は看護師さんに交代して吸引していただきますが、在宅となれば父と母でなんとかしなければなりません。訪問看護は現在どんなに重度でも1回1時間、週3回しか保険適応とならず私たちのように母の睡眠時間を確保するために利用したい人にとっては、医学生理的に考えても少なくとも一回に90分の持続した睡眠が必要であり、2・3時間の訪問看護が必要です。
 退院後は父が19・20時から24時まで母と交代し、この時間が母の睡眠時間で、夜中も熟睡することができない状態が続きます。いつ何が起こるかわからない緊張状態続いており、看護を交代してもすぐ親は眠れるわけではなく睡眠薬を使用しなければ寝付けないこともあります。また、母子入院3ヶ月が過ぎ、コンビニなどの外食続きでは親の体調管理も難しく、夕食は職場の方々に毎日作っていただき購入して何とか生活している状況です。

要望@
 重度心身障害児の訪問看護時間は1回1時間、週3回までが限度ですが、少なくとも1回2時間以上利用できるように認めてほしい。現在利用時間超過分は自己負担となり、30分5千円が相場です。
要望A
 重度心身障害児であることを6ヶ月未満でも認め、身体障害者手帳取得や重度心身障害医療費助成の対象としてほしい。
 脳性麻痺は機能回復の見込みがあるため重度であれば6ヶ月以降の認定となるが、それまでサポートがなく入院生活を余儀なくされる。
 1日3万円以上の入院医療費を出すよりは6ヶ月未満で身体障害者手帳によるサポート給付対象とした方が医療費的にもかからないと思われる。6ヶ月-1歳児で再確認という形でもよいので認めてほしい。
要望B
 ホームヘルパーを乳幼児でもっと利用できるように、時間の制限を拡大し、経済的負担を軽くしてほしい。また、吸引などの医療的ケアが可能になる研修を行って認めてほしい。ヘルパーによる障害児への医療ケアが困難であれば家族への援助目的での利用を認めてほしい。
要望C
 重症心身障害児を介護していることで精一杯であり、役所に出向くことが非常に困難です。身体障害者手帳や療育手帳、各種手当などの利用できるサービスについて、保健師が自宅や病院を訪問してアドバイスや事務手続きを代行することができるようにしてほしい。
要望D
 肢体不自由児の保育・リハビリ・デイケアなどが不足しており、利用できるまでかなり待たされる。施設の拡充を求めます。
要望E
 家族の疲労や疾病による緊急時の受入先(レスパイト)が限られており、拡充してほしい。

平成22年3月30日(札幌市・ある父親より)

本文終了


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